魚はただ冷やせばOK?いいえ、海水氷が夏の釣りの“命綱”です

「氷で冷やせばみな同じ」と思っていませんか?

釣り上げた魚を新鮮なまま持ち帰るには、すぐに冷却するのが鉄則です。
多くの人が「氷を入れておけばOK」と思っていますが、実はその「氷」にも種類があります。

その代表格が、真水で作った氷(真水氷)と海水を凍らせた氷(海水氷)
この違い、知らないと夏場には取り返しのつかない「鮮度劣化」に繋がることも。

この記事では、特に夏場に絶大な効果を発揮する海水氷の秘密と効能をわかりやすく解説します。


海水氷とは?真水氷との決定的な違い

● 真水氷:家庭用冷凍庫でよく使う氷

水道水などの真水を凍らせたもので、一般的な氷。温度は0℃前後です。
しかし、魚の体表を急激に傷めることがあるため、特に繊細な魚には不向きな場合も。

● 海水氷:海水を凍らせた氷

釣り場の海水や専用の海水で作る氷。塩分を含むため完全には凍らず、シャーベット状になります。
これが魚を優しく包みこみ、低温でじわっと冷やすため、鮮度保持に非常に効果的。


なぜ夏は「海水氷」が命を守るほど重要なのか?

● 魚の鮮度劣化は「時間」ではなく「温度」で決まる

夏場の外気温は30〜35℃。
氷があっても真水氷では表面だけが冷える一方、内部は高温のままということも。
これは雑菌や酵素の働きを止められず、鮮度低下を早める原因に。

海水氷は**-2〜-1℃程度の低温を保ちながら、全体を均一に包み込む**ことで、
魚の中心温度をしっかり下げ、劣化スピードを極端に抑えます。


海水氷のメリット5選【夏場の冷却革命】

① 魚の体を傷めにくい

真水は浸透圧の関係で魚の表皮細胞を破壊することがあります。
海水氷は海と同じ浸透圧のため、細胞を壊さず美しい状態を保てます。

② 全体をムラなく冷やせる

シャーベット状なので魚全体を覆い、冷却ムラがありません。
氷水と魚が密着し、効率よく温度を下げられます。

③ 雑菌繁殖を防げる低温領域

-1〜-2℃の低温は、腸炎ビブリオやヒスタミンなど食中毒菌の活動を止める効果があります。
夏場の食中毒予防にも直結。

④ 魚の色・ツヤを保持

真水氷では魚の目が白濁し、体色もくすみがち。
海水氷なら釣った直後のような美しい体色と透明感を維持できます。

⑤ 家庭の冷蔵庫でも長持ち

一度海水氷で冷却すれば、持ち帰ってからの保存も有利。
表面のヌメリや腐敗臭の発生が遅く、家庭での調理時も美味しさが残ります。


海水氷はどうやって作る?【簡単3ステップ】

  1. 海水をクーラーボックスに入れる
     釣り場で汲んだ海水、またはペットボトルで持参した海水を使用。

  2. 氷(真水氷でOK)を入れて撹拌
     シャーベット状になるまで混ぜる。海水6:氷4くらいの比率が目安。

  3. 釣った魚をすぐに投入
     内臓は可能なら現地で処理。海水氷に直接沈めて冷やす。

※釣太郎では、黒潮の海水を凍らせた専用海水氷(1kg:200円 / 3kg:400円)を販売中。手間なく使えて便利。


よくある誤解Q&A

Q1. 真水氷でも十分冷えるのでは?

A:冷えますが、急激な冷却や細胞破壊のリスクが高いです。
海水氷のような“やさしい冷却”はできません。

Q2. 冷却温度は氷なら変わらない?

A:真水氷は0℃、海水氷は-2℃程度。
たった2℃ですが、細菌の繁殖速度に大きな差が出ます。

Q3. 海水氷で魚がしょっぱくならない?

A:なりません。
海水は体表にしか触れず、内部に染み込むことはほとんどありません。


まとめ:夏こそ「海水氷」を使えば、釣果は“食の感動”に変わる

夏場の釣りは魚との勝負だけでなく、「鮮度」との勝負です。
どんなに美味しい魚も、冷やし方ひとつで価値がガタ落ちになることも。

しかし海水氷を使えば、
・体を傷めず
・低温でしっかり冷却し
・見た目も味も保持する

――という理想的な状態で持ち帰ることができます。

「氷はどれも同じ」ではないと知ったあなた。
この夏からは海水氷を使って、釣り魚の真価を味わってください。

夏こそ「海水氷」を使えば、釣果は“食の感動”に変わる。釣太郎

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