■ 意味の解説:
✅ 捌き3年
ウナギは非常にぬめりが強く、滑りやすく、骨が柔らかいため、他の魚のように簡単には捌けません。
目打ちで固定し、背開きで骨を残さず美しく開くには、最低でも3年の修業が必要と言われています。
➤「包丁の入り方」「骨の感触」「力加減」すべてが難しい!
✅ 串打ち8年
開いたウナギに串を通す「串打ち」は見た目以上に高度な技術です。
・皮と身の厚さに応じて刺す角度を調整
・焼いたときに反り返らず、崩れず、均等に火が通るように刺す
・骨の間を避け、しかも刺し直しNG(やり直しは品質劣化)
そのため、串打ちの技術を習得するにはさらに5年、合計8年かかるとも言われています。
✅ 焼き一生
そして最後にして最難関が「焼き」。
炭火で焼く工程は、ウナギの状態、気温、湿度、炭の火力、タレの濃さ、焼き時間…
これらをすべて五感で調整しなければならない、終わりのない技術です。
「焼き」は再現性が極めて難しく、
同じウナギでも「焼き手」で仕上がりが全く違います。
だからこそ「焼きは一生かかる」と言われるのです。
🐍 この言葉が生まれた背景
これは単なる誇張ではなく、ウナギ料理の繊細さと奥深さを物語る言葉です。
一匹のウナギを「芸術」にまで高めるためには、年単位の経験と感性が求められます。
✅ まとめ:ウナギ職人の世界は、技術の結晶
| 工程 | 必要とされる修業年数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 捌き | 3年 | 目打ち+背開き、素早く美しく開く |
| 串打ち | 8年 | 形・火通り・崩れ防止を左右 |
| 焼き | 一生 | 状況に応じた火入れ・香り・味の決め手 |
「ウナギは誰が焼いたかで味が決まる」――
この格言が、今もウナギ専門店で語り継がれているのも納得ですね。


