【釣り人なら誰でも一度は考える疑問】
・釣った瞬間、魚が暴れる。
・一気に走る。
・水面で激しく暴れる。
そんなとき、「こいつ、釣られたとわかって焦ってるな」と感じたことはありませんか?
まるで「しまった!」と魚が思っているような動きに見えることも。
しかし本当に魚は、「やばい!」「逃げなきゃ!」と意識しているのでしょうか?
この記事では、魚の脳の仕組み、生理反応、そして釣られたときの反応を科学的に解説し、
“魚の気持ち”に迫ります。
【魚に“後悔”や“恐怖”の感情はあるの?】
● 魚の脳はシンプルな構造
魚類の脳は、人間や哺乳類と比べて非常にシンプルです。
感情や思考をつかさどる「大脳新皮質」が発達していないため、複雑な思考や「しまった!」というような“内省的な感情”を持つ可能性は極めて低いとされています。
ただし、「痛み」や「逃げなきゃ」という本能的な反応はしっかりと備わっています。
● 本能による瞬間的な逃避行動
魚が針にかかった瞬間、急激な異物感や痛みによって、
「やばい!」という本能的な反射反応が起こります。
これは「逃避反応(フライトレスポンス)」と呼ばれるもので、天敵から逃げるときと同じ行動です。
つまり、魚は“考える前に体が動いている”というイメージです。
【釣られた魚はなぜ暴れるのか?】
釣り針にかかった魚は、以下のような反応を見せます。
-
激しく尾ビレを振って逃げようとする
-
反転して沖へ突っ走る(突っ込み)
-
ジャンプして外そうとする(特にスズキやマグロ)
これらの行動は、いずれも生存本能による自動反応です。
● 脳より先に体が反応する?
魚類は、危険を察知したときに脳を通さずに体を動かす「反射弓(リフレックス)」が発達しています。
つまり、“考える暇もなく逃げている”状態。
「しまった…」という後悔ではなく、「異常だ!逃げろ!」という緊急信号が体を突き動かしているのです。
【釣られた魚の目に見える“焦り”】
では、釣られた魚の目が「必死」「驚き」「恐怖」に見えるのはなぜでしょうか?
これは多くの場合、人間の感情移入(擬人化)によるものです。
たとえば:
-
目を見開いているように見える
-
ジタバタ暴れている姿が焦っているように見える
-
水面でバシャバシャしているのが助けを求めているように感じる
これらは人間の視点から見た印象であり、実際には反射行動でしかありません。
【魚に“学習能力”はある?次も釣られる?】
一部の魚(例えばクロダイ、グレ、アオリイカなど)は警戒心が強く、過去の経験を学習する能力を持っています。
・以前釣られた魚が、しばらくエサを警戒する
・似たルアーを見切るようになる
・水面の影を避けるようになる
これは「条件付け学習(パブロフ効果)」のようなもので、「危険と感じた刺激を避ける」ようになる習性です。
ただし、「しまった、また釣られた…」という後悔の感情は無いと考えられています。
【まとめ:魚は“しまった”と思ってないが、必死ではある】
結論をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 魚は「しまった!」と思ってる? | ✕(人間の感情とは異なる) |
| 釣られたときに暴れる理由 | 本能による逃避反応 |
| 感情はあるのか? | 単純な快・不快の反応はあるが、後悔や内省は無い |
| 警戒心はあるのか? | 種類によっては経験学習による警戒あり |
| 釣り人が感じる「焦り」は? | 人間側の感情移入によるものが大きい |
【釣り人の感情と魚の反応が交差する瞬間】
魚は「しまった!」とは思っていません。
しかし、釣り人がそう感じるのは、“釣りという行為”が命と命の駆け引きだからこそ。
魚の反応を通じて私たちは自然の尊さや生命の重みを感じ取っているのです。
「魚の気持ちを知ろうとすること」
それが、釣り人にとって大切な感性かもしれません。


