はじめに:見た目そっくりな2種のフグ
・海岸で打ち上がっていた「トゲトゲの魚」
・水族館でぷっくり膨らんだ可愛い「フグ」
多くの人が「ハリセンボン」と「イシガキフグ」を見分けられないと感じています。
しかし、この2種にははっきりした違いが存在します。
今回は、ハリセンボンとイシガキフグの違い・見分け方・特徴・生態・食用の有無まで、徹底的に解説します。
① 名前が似ているけど、分類も違う!
| 項目 | ハリセンボン | イシガキフグ |
|---|---|---|
| 学名 | Diodon holocanthus | Diodon hystrix |
| 科 | ハリセンボン科 | ハリセンボン科(同じ) |
| 属 | ハリセンボン属 | ハリセンボン属(同じ) |
| 和名の由来 | 針=トゲ、千本=数が多い | 石垣模様が体にある |
つまり、分類学的には同じ科・属に属する近縁種ですが、大きさ・模様・トゲの特徴に差があります。
② 見た目での見分け方5ポイント
【1】体の大きさ
・ハリセンボン:30〜40cm前後
・イシガキフグ:最大90cmにも達する大型種
→大きいものならイシガキフグの可能性大!
【2】トゲ(棘)の形状と数
| 特徴 | ハリセンボン | イシガキフグ |
|---|---|---|
| トゲの数 | 非常に多い(300本前後) | 少なめ(まばら) |
| トゲの形 | 細くて鋭い | 太くて丸みあり |
| トゲの可動性 | 立ち上がる(可動式) | 皮膚と一体化(固定) |
→細く密集して立ち上がるならハリセンボン、太くまばらならイシガキフグ
【3】体表の模様
・ハリセンボン:全体的に薄茶〜白っぽい体色、模様は少ない
・イシガキフグ:**黒い斑点(石垣模様)**がはっきりと広がる
→模様が目立つならイシガキフグの可能性が高い
【4】目の大きさと形
・ハリセンボン:大きくて丸い目が特徴
・イシガキフグ:目はやや小さめで、少しつり上がり気味
→ハリセンボンの方が**「アニメ的な顔つき」**
【5】性格と動き
・ハリセンボン:臆病で防御的、すぐ膨らむ
・イシガキフグ:比較的おおらかでマイペース
→釣った時や水中での反応の違いでも見分けられる
③ どちらも毒がある?食べられる?
ハリセンボン
・内臓に弱毒(テトロドトキシン)を持つ個体あり
・地方によっては身を唐揚げ・干物として食べる例もあり
・基本的には素人の調理はNG
イシガキフグ
・肝臓などに強い毒を持つ可能性が高く、危険性あり
・一部地域で身のみを安全に処理して食べるが、厳重な注意が必要
→どちらも素人調理は絶対に避け、専門のフグ調理師に任せること
④ ハリセンボンとイシガキフグがよく見つかる場所
| 見かける場所 | 共通点 |
|---|---|
| 水族館 | 両種とも人気展示魚。愛嬌のある姿が人気。 |
| 潮だまり・浅場 | 幼魚が迷い込むことがある。 |
| 海岸 | 打ち上げられた骨や死骸が見られることも。 |
| 釣り | 堤防釣りや船釣りで外道としてかかることがある。 |
⑤ 釣り人向け:かかったときの対処法
・毒を持つ可能性があるため、素手で触らずタオルや道具で対応
・トゲが鋭いので、針を外すときは手袋を装着
・観察後は、海へ優しくリリースするのがマナー
まとめ:ハリセンボンとイシガキフグの違い早見表
| 比較項目 | ハリセンボン | イシガキフグ |
|---|---|---|
| 体長 | 小さめ(〜40cm) | 大型(〜90cm) |
| トゲの数 | 多く密集 | 少なく太い |
| 模様 | 模様なし〜薄い | 黒い斑点が多数 |
| 目 | 大きく丸い | やや小さめ |
| 毒性 | 弱毒の可能性あり | 強毒の可能性あり |
| 食用 | 地方で可食例あり | 専門調理のみ可 |
終わりに:見分けて知ることで、自然はもっと面白くなる
見た目がそっくりでも、特徴や生態はしっかり違うハリセンボンとイシガキフグ。
釣り人や海岸観察をする方にとって、この違いを知っておくことで、
自然の世界はもっと深く楽しいものになります。
もし次に海で「トゲトゲの魚」を見かけたら、今回の知識でぜひ正体を見分けてみてください。


