◆ はじめに|海岸で目にした「異常な光景」
近年、海辺を歩いていると複数の鳥の死骸が打ち上げられている光景を見かけることがあります。
中には、磯場や岩の間に挟まるもの、さらには海面に浮かんだままの個体も見受けられます。
今回も、黒っぽい羽を持つ中型の海鳥が、
・ビーチの砂浜に打ち上げられ、
・磯の岩の間で倒れ、
・さらには海に浮かんだまま漂っていました。
これは自然現象なのでしょうか?それとも環境異変の兆候?
この記事ではその原因と対策について、最新の知見をもとにわかりやすく解説します。
◆ 多数の鳥の死骸が見られる原因とは?
① 餓死・衰弱死(最も多い要因)
最も多い原因は「餌不足による衰弱死」とされています。
特に冬〜春にかけては、黒潮の蛇行やエルニーニョ現象の影響で、
魚の群れが沖合に遠ざかるため、海鳥がエサを取れなくなることが多く報告されています。
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小魚を主食とする「ウミスズメ類」や「ウトウ」などに被害が集中
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体力を失い、飛ぶことも泳ぐこともできなくなって岸に打ち上げられる
② 強風・波による事故死
悪天候や季節風が強く吹いた後は、
空中や波でバランスを崩し、岩場に衝突してしまう海鳥の事故死が発生することがあります。
特に若鳥や体力のない個体は、まともに飛ぶことができず、岩場で打撲して死亡するケースも。
③ 油や海洋汚染による影響
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油膜や化学物質が羽に付着すると、羽が水を弾かなくなり体温維持ができません。
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その結果、低体温症になって力尽きる海鳥も。
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漂着時に羽が濡れて重くなっている場合はこのケースも疑われます。
④ 鳥インフルエンザなどのウイルス感染
昨今、全国的に鳥インフルエンザによる集団死も報告されています。
同じような姿勢で複数の個体が同時に死んでいる場合は、
感染症の可能性もあるため専門機関に通報することが推奨されます。
◆ なぜ「磯」や「海上」にも死骸があるのか?
打ち上げられる場所はビーチだけではありません。
実際には以下のような場所にも見られます。
| 場所 | 原因の可能性 |
|---|---|
| 磯場 | 衝突、岩の隙間で身動き取れず力尽きる |
| 海面 | 死後も浮力があり、そのまま漂流する |
| テトラ間 | 潮の流れに乗って漂着するケースあり |
海鳥は脂肪や空気を含んだ体構造のため、死亡後もしばらく海面に浮かぶという特徴があります。
◆ 釣り人・海辺の利用者がすべき注意点
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絶対に素手で触らないこと!
→ 病原菌や寄生虫のリスクがあります。 -
大量死を見かけたら記録と通報を
→ 市町村、環境省、野鳥の会、保健所などへ。 -
ビーチクリーン活動中の発見にも注意
→ 子どもやペットが近づかないよう注意喚起を。
◆ まとめ|自然現象か異常かを見極めるには「数」と「状態」
| 判断基準 | ポイント |
|---|---|
| 1〜2羽程度の死骸 | 餓死や事故による自然死が多い |
| 同種が10羽以上まとまって死んでいる | 疫病や赤潮など異常の可能性 |
| 海上・磯・浜辺にまんべんなくある | 広範囲に影響する環境変化かも |
◆ おわりに|自然からの小さなSOSを見逃さない
死骸があるということは、
その環境で「何かが起きている」サインかもしれません。
釣り人も、磯遊びを楽しむ方も、
ぜひ海鳥たちの変化にも目を向けてみてください。
海の環境を守ることは、
私たちが釣りを楽しみ続けるための第一歩でもあります。



