釣った魚の「締め方」ひとつで、味・見た目・日持ちが大きく変わることをご存じですか?
特に脂のりがよく高級魚としても知られる「ブリ」では、その差が顕著です。
今回は「野締め・氷締め・活締め・神経締め」の4つの方法について、
それぞれの特徴や違いを【味・身質・鮮度・色・日持ち】などの観点から数値化して比較。
釣り人・料理人・鮮魚店の方にも必見の内容です!
■ そもそも「締め」とは?
魚は釣ってから何もしなければ、暴れて筋肉が損傷し、血が回り、内出血や腐敗が進みます。
そのため、「締める」ことで魚のストレスを抑え、味や鮮度を保つことができます。
■ ブリにおける4つの締め方と比較表
| 締め方 | 味(旨味) | 身の締まり | 血合いの色 | 鮮度持続 | 日持ち(冷蔵) | 雑菌繁殖 | 雑味・臭み | 総合評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 野締め(何もしない) | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | △(黒ずむ) | ×(早く劣化) | 1日 | 高い | 出やすい | ★☆☆☆☆ |
| 氷締め(氷で冷却) | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | △(やや変色) | △(やや早い) | 1.5日 | 中程度 | 出る | ★★☆☆☆ |
| 活締め(血抜き) | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ◯(赤く保つ) | ◯(安定) | 2~3日 | 少ない | 少ない | ★★★★☆ |
| 神経締め(+神経抜き) | ★★★★★ | ★★★★★ | ◎(鮮やか) | ◎(劣化しにくい) | 4日以上 | ほぼなし | 非常に少ない | ★★★★★ |
※味・身質・鮮度などはブリ1匹を同条件で処理・保管した実験結果に基づき、五段階評価で表現。
■ 各締め方の特徴と科学的根拠
● 野締め(何もしない)
魚が暴れたまま死ぬ方法。
ATP(エネルギー物質)が急減少し、乳酸蓄積→腐敗加速。
・身がグズグズでドリップ(液漏れ)も多く、味も落ちる
・血が身に回り、変色や臭みの原因になる
→スーパーで色が悪く臭う魚はこのパターンが多い
● 氷締め(氷で冷やすだけ)
魚を氷水や氷に直接入れて体温を奪う方法。
魚の動きを止め、少しはストレス軽減。
・暴れる時間が短くなる分、野締めよりはマシ
・血抜きをしていないため、時間が経つと血合いが黒く変色
・ドリップも比較的多め
→手軽だが「血抜きなし=雑味残る」点に注意
● 活締め(血抜き処理)
脳または脊髄を刺して即死させ、エラと尾から血を抜く方法。
血液中のタンパク質や鉄分が酸化→臭みの原因となるため、除去が重要。
・身がしっかり締まり、弾力が出る
・色も比較的長く保たれる
・雑菌の繁殖も抑えられる
→一般的な釣り人や料理店ではこの方法が主流
● 神経締め(活締め+神経抜き)
活締め後、神経にワイヤーやピアノ線を通して、神経信号を遮断。
筋肉のけいれんが止まり、ATPの消費を抑える=熟成に有利!
・筋肉が暴れないため、旨味の元「イノシン酸」が豊富に残る
・見た目も美しく、臭みもほぼゼロ
・ドリップが極めて少ない
→高級料亭や寿司店が必ず導入している技術
■ ブリで比較!神経締めがどれだけ優秀か?
実際に筆者が同じ日、同じ海域、同じタックルで釣り上げた4本のブリを、それぞれの方法で処理・冷蔵保存したところ:
-
野締め:24時間で異臭。ドリップ大量。刺身不可。
-
氷締め:48時間で血合いが変色。味はやや落ちる。
-
活締め:72時間後でも刺身可。血合いも良好。
-
神経締め:96時間後もプリプリで旨味濃厚。血合い鮮やか。
■ まとめ|釣った魚こそ、神経締めで極上の味に
ブリのような大型魚では、処理方法ひとつで
**「食べられる魚」から「感動レベルの一皿」**に変わります。
初心者の方でも
・バケツで氷水を用意
・ナイフでエラと尾を切る
・血を抜く
これだけでも劇的に変わります。
慣れてきたら「神経締め」もぜひチャレンジを!


