和歌山南紀でのアオリイカの「豊漁の年」と「不漁の年」の違いには、
複数の自然要因と人為的要素が複雑に絡んでいます。
以下に、主な原因を釣り人目線&科学的根拠の両面から整理して解説します。
■ 1. 「海水温」がすべての基盤
◎ キーワード:適水温=18~23℃
・アオリイカは変温動物なので、水温が直接行動・生存に影響します。
・南紀の春と秋は、本来アオリイカにとって最適な水温帯です。
・しかし、年によっては「高すぎ」「低すぎ」になることがあります。
▶ 豊漁年の傾向
・春~初夏の海水温が18~22℃で安定
・黒潮の分流が沿岸に寄り、栄養塩も豊富
▶ 不漁年の傾向
・急激な冷え込み、または海水温が24℃を超えてしまう
・黒潮の蛇行や離岸によって、沿岸が栄養不足の貧栄養海域に
■ 2. 「産卵環境の変化」も重大
アオリイカは海藻や流れ藻、藻場の根元などに卵を産み付けます。
この産卵場が年によって減少・消滅しているケースがあります。
主な原因:
・台風による海藻の飛散や根こそぎ消失
・沿岸開発やコンクリート護岸による自然藻場の減少
・水温上昇による海藻の生育不良(ホンダワラの不作など)
■ 3. 「親イカの接岸状況」
親アオリイカが産卵のために接岸するには――
・水温が安定していること
・餌(ベイトフィッシュ)が豊富であること
・外敵(大型魚・釣り人)のプレッシャーが少ないこと
これらが満たされないと、沖合で産卵してしまい、
釣り人が狙える範囲に来ない=不漁の印象となります。
■ 4. 「新月・大潮・気圧変動」などのタイミング
アオリイカは気圧の変化に非常に敏感なため、
・低気圧通過の前後に高活性になる傾向があります。
・豊漁年は「好条件と釣行タイミングが合致しやすい」傾向があります。
■ 5. 「釣り人の影響」も無視できない
・春の大型シーズンは、釣り人による親イカの取りすぎが起こりがちです。
・同じ場所で毎年数が減る傾向がある場合、それは釣圧(釣りプレッシャー)によるものかもしれません。
さらに、近年では以下のような問題も:
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産卵直前のイカを大量に持ち帰る
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抱卵個体(メス)の乱獲
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潜水者による夜間の産卵場捕獲(密漁)
これらが長期的に不漁年を招く「人為的要因」に。
■ 6. 「黒潮の蛇行・接岸」の影響は絶大
和歌山南紀エリアは、黒潮の流れに直撃する地域。
黒潮が接岸すれば:
・海水温安定
・栄養塩供給
・ベイトも豊富
黒潮が蛇行した年は:
・沖の海水が湾内に入らず水質が悪化
・回遊魚が減り、アオリイカの接岸も鈍る
この影響は、アオリイカだけでなく全魚種に波及します。
■ まとめ:「アオリイカの当たり年・ハズレ年はこうして決まる!」
| 年の傾向 | 主な特徴 |
|---|---|
| 豊漁年 | 適水温・安定した海藻・黒潮接岸・餌が多い |
| 不漁年 | 高水温・藻場減少・黒潮蛇行・親イカ接岸せず |


