● はじめに
釣り人の中には、
「今日は気温が高いから水温も上がってるだろう」
「寒波が来たから、水温も一気に下がってるはず」
そんな風に考えている方も多いのではないでしょうか?
でも実は、水温は単純に気温だけでは決まりません。
海の中は、私たちが思う以上に“奥深い”世界。
・水温に影響する要素
・気温と水温の関係の誤解
・釣果に直結する水温理解のコツ
を、釣り人向けにわかりやすく解説します。
● 「気温と水温」は必ずしも一致しない
✅ 気温は「一瞬」、水温は「蓄積」
・気温は日々、時間単位で変動します。
・しかし海水は熱容量が大きく、温まりにくく冷めにくい性質があります。
➡ そのため、1日や2日気温が上がったくらいでは、水温はほとんど変わりません。
✅ 表層水温だけが気温の影響を受ける
風のない晴天が続くと、水面は日差しで温まりますが…
・その効果は表層1〜2m程度に限られます。
・少しでも風が吹けば、混ざってすぐ元に戻ることも。
つまり、気温が上がっても、魚がいる水深の温度には影響しないことが多いのです。
● 水温に影響する主な「5つの要因」
① 海流(黒潮・親潮など)
・日本周辺の水温に最も大きな影響を与える要素です。
・特に紀伊半島や伊豆半島では、黒潮の蛇行や接岸具合で水温が1〜2℃単位で変動します。
② 潮の流れ・潮汐
・潮の干満や潮流の動きによって、温かい水や冷たい水が入れ替わることがあります。
・とくに潮通しのよい磯場では、この影響が顕著です。
③ 雨・河川の流入
・雨が降ると表層水温が一時的に低下。
・河口周辺では淡水が流れ込むことで塩分濃度と水温のバランスが崩れ、水潮に。
④ 風
・**北風が続けば冷たい深層水が湧き上がる(吹送現象)**など、水温に影響します。
・風の強さや方向によって、湾内の水が攪拌され、水温が一時的に下がることもあります。
⑤ 水深
・深くなるほど水温の変化は緩やかです。
・たとえば、地磯の沖向きと湾内のシャローでは5℃以上の水温差があることも。
● 「今日の気温=釣りやすさ」と思うのは危険
釣り人が気温を見て「暖かいから釣れる!」と思っても、
・水温が低ければ魚の活性は上がらず
・逆に水温が安定していれば、気温が低くても釣れる
という逆転現象が多々あります。
だからこそ、気温よりも「水温とその推移」を見るのが正解です。
● 釣り人が押さえるべき「水温活用の3ステップ」
✅ ① 表層と底層の差を意識する
・とくに春先や秋口は、日差しで表層だけ温まる“表層バブル”状態になりがち。
・魚の居場所とタナ(水深)を間違える原因になります。
✅ ② 数日間の水温推移を見る
・1日単位ではなく、3日〜1週間単位で水温のトレンドを見ると正確です。
・「上昇傾向なのか、下降傾向なのか」で釣れる時間帯も変わります。
✅ ③ ポイントごとの水温差を知る
・湾内/外海、浅場/深場、磯/堤防で全く違う水温になることも。
・いつも同じ場所で釣れない時は、「周囲と水温が違うだけ」の可能性も。
● まとめ
| よくある誤解 | 実際のポイント |
|---|---|
| 気温が高い → 水温も高い? | 表層だけ一時的。深場は変わらないことも |
| 晴れが続いた → 活性アップ? | 海流が冷たければ逆効果も |
| 気温=釣果と直結? | 水温推移とポイントごとの差が重要 |
釣りは「水の中の温度」が全てのベースになります。
気温だけを頼りにせず、海の“中”を想像できる釣り人が釣果を伸ばせるのです。


