● はじめに
「昔はアオリイカが3キロなんて当たり前だった」
「今はキロアップでも大物扱い」
そんな声、釣り人なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
実際、ここ数十年で魚やイカの平均サイズが小型化しているという事実が、各地で確認されています。
この記事では、
・なぜ魚は小さくなっているのか
・アオリイカのサイズ低下の背景
・釣り人ができること
について、わかりやすく解説していきます。
● アオリイカが3キロだった時代
かつての南紀や伊豆諸島、四国太平洋側では、春の親イカシーズンに3kg級のアオリイカが頻繁に上がっていたと記録されています。
・2kg以上は「良型」
・3kg以上でようやく「大物」扱い
・4kg超えは地元釣具店に写真掲示レベル
現在では1.5kgで満足、2kgが大物、3kgは超レア。
これほどまでにサイズの基準が下がってしまったのはなぜなのでしょうか?
● 魚やイカが小型化している主な理由
✅ 理由①:乱獲(特に大型個体)
もっとも大きな原因は大型個体が優先的に釣られてしまうことです。
・大型個体は釣りやすく、目立つ
・産卵能力が高いが、それ以前に漁獲される
・遺伝的に「大きくなりやすい個体」が減る
→ 結果として、成長しきる前に漁獲される個体が増えるため、小型化が進行します。
✅ 理由②:水温上昇による成長サイクルの変化
海水温の上昇で、アオリイカや魚類の成長スピードが早まり、早熟化する傾向があります。
・早く成長=早く産卵=短命化
・大きくなる前に寿命を迎える
・結果として**「若くて小さい親」が増える**状態に
とくにアオリイカは寿命が1年程度と短く、水温の影響を受けやすいため、地域によっては年中小型の親が繁殖しているケースも。
✅ 理由③:生息環境の悪化
・産卵場(藻場)の減少
・沿岸開発による生態系破壊
・プランクトンバランスの崩壊
これらの影響で、稚魚や稚イカの生存率が低下している地域も増えています。
育つ前に死ぬ個体が増えることで、サイズのばらつきが減り、平均値が下がる結果になります。
✅ 理由④:海の栄養塩(栄養分)の減少
黒潮の蛇行や貧栄養化により、沿岸の海が痩せてきています。
これにより、エサとなるベイト(小魚・甲殻類)が減少しており、成長に必要な栄養を得られない魚やイカが増加中です。
● 釣り人ができる「未来に魚を残す」ための行動
✅ 抱卵個体のリリースを考える
特に春のアオリイカ釣りでは、お腹に卵を持った親イカは貴重な命の源です。
必要以上にキープせず、リリースする意識が未来の釣果に繋がります。
✅ サイズ制限・数制限を自ら設ける
法律で決められていなくても、
・○cm以下はリリース
・1日の持ち帰り数は○杯まで
といった自主ルールを守る釣り人が増えることで、全体の資源維持に貢献できます。
● まとめ
・昔はアオリイカ3キロが珍しくなかった
・現在は「釣れる前に獲られる」ことで、小型化が進行
・成長サイクルの早まり、環境悪化も拍車をかけている
「大物が釣れなくなった」と嘆くより、未来のために今できることを。
持続可能な釣りを意識することで、
もう一度「3キロのアオリイカ」が当たり前の海に近づけるかもしれません。


