魚の体内の塩分濃度(浸透圧)と海水の塩分濃度が異なるのは、魚が生きるために“浸透圧の調整”をしているからです。
以下に、わかりやすく分けて解説します。
■ 海の塩分濃度はどのくらい?
・平均して 3.5%(35‰)
→ これは 1リットルの海水に約35gの塩が溶けている状態。
■ 魚の体内の塩分濃度は?
・だいたい 0.9%前後(ヒトの血液と同程度)
→ 海水よりはるかに「低塩」です。
■ なぜ違うのか?
理由は、細胞が正常に機能するためには適度な塩分濃度が必要だからです。
・細胞内が海水と同じ3.5%だと、
→ タンパク質が変性したり、酵素が働かなくなったりして、生きていけません。
・逆に、体液を0.9%程度に保つと、
→ 酵素も働きやすく、生理機能が安定します。
■ でも、海水で生きてるのに体は低塩?どうやって?
これは魚の「浸透圧調整能力(塩分調整)」によるものです。
■ 海水魚はどう調整している?
海水は体液より塩分が高いので、以下のような問題が起きます。
◆ 問題
・体内の水分が外に出ていく(脱水)
・体内に塩分が入ってきてしまう
◆ 対策
・水をほとんど飲まずにエラから海水を飲む
・腸で塩分を効率よく排出し、水だけ吸収
・エラや腎臓で塩を排出して、体内の濃度を維持
■ 淡水魚はどう調整している?
今度は逆に、淡水のほうが塩分が低いため、以下のような問題が起きます。
◆ 問題
・水が体内にどんどん入ってくる(浸水)
・体内の塩分が外に流れていく
◆ 対策
・水を飲まずに大量に尿を出す(水を追い出す)
・エラで塩分を積極的に吸収して体内の濃度を保つ
■ なぜそんなに頑張るの?
・体内の細胞の水分バランスを保つためです。
・浸透圧が狂うと、細胞が縮んだり、膨らんで破裂したりします。
■まとめ
| 比較対象 | 塩分濃度 | 解説 |
|---|---|---|
| 海水 | 約3.5% | 非常に高い塩分 |
| 魚の体液(血液) | 約0.9% | ヒトと同じくらい。低塩で安定 |
| 差の理由 | 浸透圧調整 | 生理的に適した濃度を保つ必要がある |
この「塩分の差」があるからこそ、
魚はそれぞれの環境に適応して、巧みに塩分と水分をコントロールしながら生きています。


