磯の潮が引いた昼下がり、海辺に立つ一人の釣り人、タカシ。
彼は石鯛を狙うため、エサになる貝を探していた。
「おっ、いたいた。」
彼の目に留まったのは、岩にピタリと張りついたカサガイ。
大きくて肉厚なやつだ。
「お前、なかなかのサイズだな。こりゃいいエサになる。」
そう言いながら、彼はナイフを取り出し、慎重に岩から剥がそうとする。
しかし、カサガイはしっかりと岩に張りついていて、びくともしない。
「さすがだな。でもこうするんだよ。」
タカシは海水を手ですくい、カサガイにかけた。
その瞬間、カサガイがわずかに力を抜いたのを見計らい、ナイフを差し込む。
「よし、取れた!」
手に持ったカサガイをじっと見つめるタカシ。
昔、祖父と一緒に磯遊びをした記憶が蘇る。
「ガキの頃は、これを焼いて食ったっけな。」
潮の香りに包まれながら、懐かしさがこみ上げる。
石鯛釣りのエサとして使うか、それとも焚き火で炙って食べるか…。
「よし、まずは釣りだ。で、釣れなかったら焼いて食う!」
彼は笑いながら、バケツにカサガイを放り込んだ。
今日の海は穏やかだ。
きっと、いい釣果が待っているだろう。


