アオリイカは**「回遊魚」ではないが、一部は回遊性を持つ**生物です。
アオリイカの回遊性について
アオリイカは 「定着型」 と 「回遊型」 の両方の個体が存在します。
これを理解すると、釣りでの狙い方やシーズナルパターンを読みやすくなります。
1. 定着型(居着き型)アオリイカ
- 岩礁帯や藻場などの 「地形変化のある場所」 に定着する個体。
- 環境が良ければ長期間、同じ場所に生息する。
- 秋~冬にかけては、この「居着き型」が釣れることが多い。
- 釣られにくい個体は成長して大型化する傾向あり。
2. 回遊型(移動型)アオリイカ
- 季節に応じて、適水温やエサのある場所へ移動する個体。
- 春(産卵期)や秋(成長期)に沿岸へ接岸し、夏や冬は深場へ移動する傾向。
- 黒潮の影響を受けやすい外洋型のアオリイカは、より回遊性が強い。
- 沿岸の個体より大型になりやすく、1kgを超える個体が多い。
アオリイカと回遊魚の違い
項目 | アオリイカ(回遊型) | 典型的な回遊魚(ブリ・カツオなど) |
---|---|---|
移動パターン | 季節・水温・エサに応じて移動するが、広範囲な長距離移動は少ない | 広範囲(数百~数千km)を回遊する |
定着性 | 一定の場所にとどまる個体も多い | 基本的に特定の場所に長くとどまらない |
潮流の影響 | 黒潮の影響を受けるが、沿岸部の定着個体もいる | 潮流とともに移動することが多い |
エサの影響 | ベイトの有無に左右されるが、居着き型もいる | ベイトの群れを追って大きく移動 |
結論:アオリイカは「半回遊性」の生物
✔ 完全な回遊魚ではないが、一部の個体は移動を繰り返す「回遊型」に近い性質を持つ。
✔ 定着型の個体は、特定の好環境に長期間とどまる。
✔ 春・秋は岸近くに回遊してくる個体が増え、冬は深場へ移動する傾向がある。
つまり、回遊魚のように「完全に移動型ではない」が、「潮や水温の変化に応じて移動する性質を
持つ」ため、釣りの狙い方にも季節ごとの工夫が必要ということです。