3月下旬にウミケムシが海をクネクネと泳いでいる姿を見ると少しギョッとしますよね。
普段は海底の砂や泥の中に潜っている彼らがこの時期に泳ぎ出すのには、海の中の季節変化が深く関わっています。
大きな理由の一つは、春の訪れによる水温の上昇です。
冷たい冬の海から少しずつ水が温み始めると、海底でジッとしていたウミケムシたちも春の目覚めとともに活発にエサを探し始めます。
また、彼らはゴカイの仲間であるため、春から初夏にかけての産卵期には繁殖のために海中へ浮上して泳ぎ回ることがあるのです。
釣り人の間でよく知られるバチ抜けと同じように、ウミケムシたちも命をつなぐための神秘的な行動をとっています。
さらに、春特有の強い風やうねりで海底が荒れると、砂の中から巻き上げられてしまい仕方なく波間に漂っているケースも少なくありません。
釣太郎の近くの海でも、春の嵐が過ぎ去った後や大潮の夜にはこの不思議な光景を目にすることが増えてきます。
見た目は少しグロテスクですが、彼らなりに春の海を一生懸命に生きている証拠ですね。
もし見かけても絶対に素手では触らず、そっと春の海の風物詩として観察してみてください。

