サビキ釣りなどで「なんだ、マルアジか…」とガッカリして海にリリースしてしまう釣り人はいませんか。
マアジに比べて格下扱いされがちなマルアジですが、実はその身質を深く知ると、決して不味い魚ではないことがわかります。
今回は、釣り人が抱く「マルアジ=外道」という偏見を覆すべく、身質のちがいをあらゆる角度から数値化して徹底比較してみましょう。
脂の乗りと水分のちがい(マアジ10:マルアジ7)
まずは皆さんが一番気にする「脂の乗り」についてです。
確かに、一年を通して安定して脂が乗っているのはマアジに軍配が上がります。
マアジの身は水分が適度でしっとりしており、刺身で食べた時の口どけの良さは抜群です。
対するマルアジは、回遊性が高いため筋肉質で、全体的に水分が多く脂の乗りはマアジの7割程度といったところです。
しかし、秋から初冬にかけて脂を蓄えた「旬のマルアジ」は、マアジに匹敵するほどの濃厚な旨味を持つことをご存知でしょうか。
旬の時期に釣れた丸々と太ったマルアジを一度でも食べれば、その評価は劇的に変わるはずです。
身の硬さと食感(マアジ6:マルアジ10)
次に注目したいのは「食感」のちがいです。
マルアジの最大の特徴は、マアジよりも血合いが多く、身がしっかりとしていて歯ごたえがある点にあります。
刺身にしたときのコリコリとした弾力は、柔らかいマアジでは決して味わえない野性味あふれる魅力です。
数値化するなら、身の締まり具合はマアジを圧倒しており、この硬さが料理の幅を大きく広げてくれます。
特にフライや唐揚げといった加熱調理をした際、身が崩れにくくフワフワのホクホクに仕上がるのはマルアジの大きな強みです。
旨味成分(イノシン酸)と味わい(マアジ10:マルアジ8)
アジ特有の甘みと旨味の主成分であるイノシン酸の量は、やはりマアジの方が豊富に含まれています。
マアジが上品で繊細な甘みを持っているのに対し、マルアジは血合いが多い分、少しクセのある野趣あふれる味わいになります。
この風味の違いが「マルアジは生臭い」という誤解を生んでしまう最大の原因なのです。
しかし、生姜やネギなどの薬味をたっぷり使った「なめろう」や「タタキ」にすると、この野性味が強烈なパンチとなって酒の肴に大化けします。
釣れたその日に血抜きをしっかり行えば、臭みは全く気にならず、極上の旨味だけを引き出すことができるのです。
食わず嫌いは絶対にもったいない
データや数値で比較するとマアジが王道であることは間違いありませんが、マルアジにはマルアジの尖った個性と魅力があります。
「マルアジだから美味しくない」という先入観だけで、クーラーボックスに入れるのをためらうのは非常にもったいないことです。
新鮮なマルアジをフライにして熱々のソースをかけたり、たっぷりの薬味でタタキにして白飯にバウンドさせてみてください。
きっと「今までこんなに美味い魚を逃していたのか」と驚かれるはずです。
私たち釣太郎は、そんな魚たちの知られざる本当の価値を、これからも現場の熱量そのままにお届けしていきます。

