写真の貝。
縦縞が細かく入り、
茶色と黒の模様が格子状に広がっています。
これが「すだれ貝」。
正式には**スダレガイ(簾貝)**と呼ばれます。
名前の由来は、
殻の細かい縦線が“すだれ”のように見えることから。
見た目はアサリに近い。
しかし、少し大きめで模様が濃い。
すだれ貝の生息域
スダレガイは主に
・瀬戸内海
・内湾
・干潟
こういった穏やかな砂泥底に生息します。
水深は浅く、
波の影響が少ない場所を好みます。
ここがポイント。
なぜ南紀では見かけないのか
和歌山南紀は
・外洋に面している
・黒潮の影響が強い
・砂泥の干潟が少ない
つまり。
スダレガイが好む
“静かな内湾環境”が少ないのです。
南紀は
荒れやすい。
流れが速い。
水深変化が急。
この環境ではスダレガイは定着しにくい。
だからほとんど見かけません。
アサリとの違い
見た目が似ているため、
よくアサリと間違われます。
違いは
・縦線がより細かい
・殻がやや厚い
・模様が濃くはっきり
味は良い。
出汁が強く、
酒蒸しや味噌汁向き。
関西圏では流通もあります。
生態の特徴
スダレガイは
・砂に潜る
・プランクトンをろ過摂食
・塩分安定環境を好む
河口域や汽水域にも多い。
しかし。
南紀のように
塩分が安定し、波が強い外洋環境は苦手。
環境が合わないのです。
南紀で貝が少ない理由
実は南紀は
“干潟文化”が弱い。
砂浜は多いが、
広い泥干潟は少ない。
だから
・アサリ
・ハマグリ
・スダレガイ
こうした内湾性二枚貝は少ない。
代わりに
・トコブシ
・サザエ
・イガイ
岩礁系が強い。
地形が生き物を決めます。
まとめ
すだれ貝とは
縦縞模様が特徴の内湾性二枚貝。
瀬戸内や干潟に多い。
南紀で見かけない理由は
地形
波
潮流
環境が違うから。
海の違いは、
そこに住む生き物を決めます。
南紀の海を知ると、
貝ひとつでも地域差が見えてくる。
それが面白いところです。

