アオリイカ釣りの成否を分ける最大の鍵、それは「エサのアジがいかに元気か」に尽きます。
「とりあえず海に漬けておけば安心」と思っていませんか?
実は、それは大きな錯覚かもしれません。
アジの生命力を維持する本質は、単なる海水ではなく「水流」と「酸素」にあります。
1. 「海の中=安全」という錯覚を捨てる
アジをスカリ(網)に入れて海に吊るしているからといって、必ずしも最適とは限りません。
アジが弱る最大の原因は、呼吸によって周囲の酸素を使い果たしてしまうことにあります。
-
停滞する水: 潮の流れが全くない場所では、スカリの中の酸素がすぐに欠乏します。
-
過密状態: 狭い網に大量のアジを入れると、一気に酸素消費量が増え、窒息状態に陥ります。
-
水流の重要性: アジは泳ぐことでエラに水を通し、酸素を取り込みます。
水流がないと、アジは過剰に泳ぎ回らなければならず、結果として体力を消耗(疲弊)してしまいます。
2. ヤエン・ウキ釣りで勝つための「アジ管理術」
元気なアジは、アオリイカを誘う最高のパフォーマンスを見せてくれます。
初心者が意識すべき「酸素供給」のポイントは以下の通りです。
-
水流の確保: スカリを設置する際は、防波堤の角や潮通しの良い場所を選び、常に新鮮な水が網の中を通るようにします。
-
ブクブク(エアーポンプ)の質: バッカン(活かしバケツ)で移動させる際は、単に泡を出すだけでなく、細かい泡で効率よく酸素を溶け込ませる「セラミックストーン」などが有効です。
-
温度変化の遮断: 水温の急激な変化も酸素溶解度に影響します。
直射日光を避け、水温を一定に保つことがアジの「やる気」を維持します。
3. 科学で見るアジの生存条件
アジが1時間に必要とする酸素量は、水温が上がれば上がるほど増加します。
| 水温 | アジの状態 | 必要な酸素供給 |
| 15℃(適温) | 安定 | 通常の供給量で維持可能。 |
| 20℃以上 | 活性高(代謝増) | 1.5倍以上の酸素供給が必要。 |
| 流れなし | 窒息リスク | 供給が追いつかず、数時間で死亡率が急上昇。 |
結び:アジの「息苦しさ」に気づけるか
アオリイカ釣りは、エサであるアジとの共同作業です。
アジが「苦しい」と感じている状態では、イカを抱かせるような良い泳ぎは期待できません。
「海に漬けているから大丈夫」という思い込みを捨て、常に「酸素は足りているか?」
「水は流れているか?」を意識してみてください。
その小さな配慮が、強烈なイカのジェット噴射を引き寄せるはずです。

