「アオリイカの身はあんなに硬いんだから、水分なんてほとんどないだろう」。
そう信じている釣り人は、かなり多いです。
釣った瞬間の、あのプラスチックのような硬さを知っていれば、そう思うのも無理はありません。
しかし、数字は正直です。
実はアオリイカ、魚よりも「約5%」も水分が多い生き物なんです。
今回は、この「たった5%、されど5%」の違いが、味にどう影響するのかをお話しします。
魚75% vs イカ80%の衝撃
一般的な魚(マダイやアジなど)の身に含まれる水分量は、だいたい75%前後と言われています。
これに対して、アオリイカの水分量は約80%。
「なんだ、たった5%の差か」と思いましたか?
料理の世界において、水分量の5%の差は、食感や味の濃さに決定的な違いを生む「巨大な壁」です。
見た目はあんなに筋肉質で引き締まっているのに、中身は魚以上に「水浸し」の状態。
これがアオリイカの正体なのです。
その「5%」が味を薄くしている
この余分な5%の水分が、実はアオリイカの本来の甘みを邪魔しています。
釣りたてのアオリイカを刺身にして食べたとき、「食感はいいけど、味があっさりしすぎている」と感じたことはありませんか?
それは、身の中に閉じ込められた大量の水分が、旨味を薄めてしまっているからです。
醤油をつけても弾いてしまったり、醤油の味が水っぽくなったりするのも、この水分の仕業です。
「脱水」で5%の壁を越える
では、どうすれば最高に美味しくなるのか。
答えは単純で、魚よりも多い「5%分の余分な水分」を抜いてあげればいいのです。
キッチンペーパーをこまめに変えたり、脱水シート(ピチットシートなど)を使ったりして、冷蔵庫で寝かせてみてください。
この「脱水」の工程を経るだけで、水っぽさが消え、アミノ酸の濃厚な甘みが前面に出てきます。
まとめ
「硬い=水分が少ない」という常識は、アオリイカには通用しません。
「魚よりも水っぽい」という事実を知っているだけで、持ち帰り方や下処理への意識がガラリと変わるはずです。
せっかく釣ったアオリイカ。
余分な水を抜いて、本来のポテンシャルを100%引き出して食べてみてください。
そのねっとりとした甘さに、きっと驚くはずです。

