「今日は中アジ(20〜25cm)が入れ食いだ!楽しい!」
堤防や磯で、こんな状況によく遭遇します。
お土産も確保できて、竿も曲がって大満足…と言いたいところですが、もしあなたの狙いが
「夢の尺アジ(30cmオーバー)」**だったとしたら、その状況は喜んでいる場合ではありません。
厳しい言い方かもしれませんが、尺アジ狙いにおいて**「中アジが釣れ続くこと」は、
戦略が失敗している決定的な証拠**なのです。
なぜ、中アジが釣れると尺アジが遠のいてしまうのか?そのメカニズムを知ることが、脱初心者への第一歩です。
今回は、サイズアップを阻む「中アジの壁」について徹底解説します。
理由1:狙っている「タナ(泳層)」が根本的に違う
これが最大の理由です。アジはサイズによって、居心地の良い水深(タナ)が明確に分かれています。
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中アジ(〜25cm): 活性が高く、エサを求めて中層〜表層近くまで浮き上がります。群れの規模も大きく、広範囲を泳ぎ回ります。
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尺アジ(30cm〜): 警戒心が高く、体力消費を抑えるため、**海底付近(ベタ底)**や障害物の陰に張り付いています。滅多に浮いてきません。
つまり、中アジが釣れているということは、あなたの仕掛けは「中層」を漂っており、
本命の尺アジがいる「底」まで届いていないという証明なのです。
「底を狙っているつもり」でも、潮の流れや仕掛けの軽さで浮き上がっていることがよくあります。
中アジはその「浮いたエサ」を真っ先に拾っているのです。
理由2:「食い意地」の競争に負けている
アジの群れの中では、常に激しいエサ取り競争が行われています。
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中アジの群れ: 若くて元気で数が多い。目の前のエサに一斉に飛びつきます。スピード勝負に強いです。
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尺アジの群れ: 老成魚で数が少ない。慎重に安全を確認してからエサに近づきます。動作は比較的ゆっくりです。
同じ場所にコマセ(撒き餌)と刺し餌を投入した場合、尺アジの口元にエサが届く前に、
動きの速い大量の中アジがエサを奪い尽くしてしまいます。
中アジが釣れ盛っている状況は、尺アジにとっては「エサが回ってこない食糧難」の状態なのです。
理由3:尺アジは「騒がしい場所」を嫌う
尺クラスのアジは、もはや小型の青物や根魚に近い性格を持っています。
彼らは非常に臆病で警戒心が強いのが特徴です。
頭上で何百匹もの中アジがバシャバシャとエサを奪い合い、釣り人に次々と釣り上げられていく
光景は、尺アジにとって**「危険地帯」**以外の何物でもありません。
中アジの活性が高すぎる場所を、尺アジは警戒して避ける傾向があります。
「中アジが釣れなくなった静かな時間帯」や「中アジの群れから少し離れた暗がり」にこそ、チャンスが潜んでいるのです。
尺アジを釣るための「中アジ回避術」
「中アジが釣れる=失敗」の意味が分かれば、対策が見えてきます。
勇気を持って「釣れている現状」を変える必要があります。
① 徹底的に「底」を攻める(タナの変更)
中アジが釣れたら、ウキ下をさらに深くするか、オモリを重くして、一気に仕掛けを底まで沈めてください。
「根掛かりするかも?」と不安になるくらいの**「底スレスレ(底トントン)」**が、尺アジの絶対領域です。
② エサを「大きく、硬く」する
中アジの小さな口では一発で吸い込めないような、大きな刺し餌(例えばオキアミを2匹掛けにする、イカの短冊を使うなど)に変えてみましょう。
中アジがつついてもエサが残り、後から来た口の大きな尺アジが食いつくチャンスが生まれます。
③ 撒き餌を「一点集中」にする
広範囲にパラパラと撒くと、中アジの群れ全体を寄せてしまいます。
カゴ釣りなら、底までコマセが漏れないように調整し、着底してから一点でコマセを効かせる
ことで、底にいる尺アジだけにアピールします。
まとめ
尺アジ狙いの釣りにおいて、中アジの連発は**「タナが浮いている」
「エサが届いていない」という危険信号**です。
中アジが釣れて楽しい気持ちをグッとこらえ、あえてアタリが遠のく「底」を攻め続ける勇気を持つこと。
それが、夢のサイズを手にするための最短ルートになります。

