黒潮は、フィリピン東方から流れ出し、沖縄・奄美・九州南岸・紀伊半島沿いを通って本州南岸を北東に進む巨大な暖流です。
この流れは秒速約1〜2m(時速4〜7km)という速さで、常に南の暖かい海水を日本近海に運び続けています。
特に和歌山県・高知県沿岸では黒潮が接岸しており、真冬でも海水温が20〜22℃前後と高い状態を保ちます。
黒潮は「熱帯起源の海流」です。
その表層水温は**25〜28℃**に達し、冬場でも20℃前後を維持します。
この暖かい海水が流れ込むため、外気が10℃以下になっても海の温度は急に下がりません。
海水は空気よりも約4倍も熱を蓄える力(比熱)が大きいため、短期間の冷え込みではほとんど影響を受けません。
つまり、冷たい空気が吹き付けても、黒潮による温かい流れが上書きしてしまうのです。
黒潮は止まることがありません。
毎秒膨大な量の南方の海水が運ばれてくるため、**海の表層を絶えず「暖め直す」**効果があります。
黒潮は年によって**岸に近づく年(接岸年)**と、**沖に離れる年(離岸年)**があります。
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接岸年
→ 紀伊半島沿岸の海水温が高く、冬でも20℃前後を維持。
→ アオリイカやカンパチ、グレなどの魚が冬場でも活動的。 -
離岸年
→ 冷たい沿岸水が入り込み、海水温が一気に16℃前後まで低下。
→ 魚の活性が落ち、釣果も不安定に。
黒潮が接岸しているかどうかで、釣りの結果はまるで違ってきます。
例えば、田辺湾や串本付近では――
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黒潮が接岸している冬:海水温20〜22℃
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黒潮が離岸している冬:海水温15〜16℃
その差は最大で7℃以上。
これほど大きな差があれば、魚の行動や釣りの成果に影響が出るのは当然です。
黒潮は、南から暖かい海水を運ぶ巨大な海の動脈です。
気温が下がっても、黒潮の流れがある限り、海はなかなか冷えません。
冬でも高い海水温を保つことで、魚たちは活発に動き、釣り人にもチャンスをもたらしてくれます。

