アオリイカの「ぬめり」の正体は?あのヌルヌルが持つ驚くべき4つの役割を徹底解説!

アオリイカを釣り上げ、クーラーボックスに入れる時、多くの釣り人がその独特の「ぬめり(ヌルヌル)」に触れます。

「このヌルヌルの正体は一体何なんだろう?」 「もしかして、鮮度と関係があるの?」

単なる「汚れ」や「体液」だと思われがちな、あのアオリイカのぬめり。

しかし、実はそれは、イカが海の中で生き抜くために進化させた**「高性能なボディーコート」**だったのです。

この記事では、アオリイカの「ぬめり」の正体と、それが果たす驚くべき4つの役割について、科学的に解説します。


1. アオリイカの「ぬめり」の正体とは?

あのヌルヌルとした粘液の主成分は**「ムチン(Mucin)」と呼ばれる物質です。

ムチンは、タンパク質と糖が結合した「糖タンパク質」**の一種。

私たち人間の唾液や胃液、納豆のネバネバなどにも含まれている成分です。

アオリイカは、このムチンを体表(外套膜)の粘液細胞から分泌し、常に全身を薄い「粘液のバリア」で覆っています。


 

2. 生き残るため!「ぬめり」が持つ4つの重要な役割

 

この粘液バリアは、アオリイカにとってまさに「命を守るスーツ」のようなもの。

主に、以下の4つの重要な役割を果たしています。

 

役割①:身体の保護(物理的バリア)

 

アオリイカの皮膚は、私たちが思う以上にデリケートです。

ぬめりは、彼らの柔らかい体を守る**「鎧」**の役割を果たします。

  • 擦り傷の防止: 海底の岩や砂、海藻などに体が擦れた際の「擦り傷」を防ぎます。
  • 細菌・寄生虫のブロック: 海水中には無数の細菌やウイルス、寄生虫の幼生が漂っています。粘液が物理的なバリアとなり、それらが皮膚から侵入するのを防ぎ、病気から身を守っています。

 

役割②:遊泳効率の向上(摩擦抵抗の軽減)

 

これはイカ特有の、非常に重要な役割です。

ぬめりは、水の抵抗を減らす**「潤滑剤」**として機能します。

  • アオリイカ(特にオス)は、メスを巡る争いや捕食者から逃げる際、水を一気に噴射して猛スピードで泳ぎます。
  • この時、体表のぬめりが**「水との摩擦抵抗」**を最小限に抑えます。
  • これにより、ロケットのような効率的なジェット噴射(遊泳)が可能になるのです。

 

役割③:浸透圧の調整(体調管理)

 

海水(塩分濃度が高い)の中で生きる生物は、常に体内の水分が外に奪われようとする「浸透圧」と戦っています。

粘液の層は、体表からの水分の流出を抑え、体内の塩分濃度や水分バランスを一定に保つ(浸透圧を調整する)のを助ける役割も担っていると考えられています。

 

役割④:敵からの逃走補助(滑り効果)

 

タコやウナギほど強力ではありませんが、ぬめりには「滑り効果」もあります。

マダイやクエ(モロコ)、青物などのフィッシュイーター(魚食魚)に襲われ、噛みつかれたり押さえつけられたりした瞬間に、「ヌルッ」と滑って敵の拘束から逃れやすくする効果も期待できます。


 

【釣り人向け】ぬめりは「鮮度のバロメーター」

 

この高性能な「ぬめり」ですが、アオリイカが死んでしまうと、当然ながら分泌は止まります。

そして、時間の経過とともに、体表のぬめりは海水や氷で洗い流され、失われていきます。

  • 新鮮なイカ: 体表がヌルヌルとした粘液でしっかりと覆われている。
  • 鮮度が落ちたイカ: ぬめりが少なくなり、皮膚がカサカサしてくる。

つまり、釣り上げたアオリイカの**「ぬめりの強さ=新鮮さの証」**と言えるのです。

(※ただし、持ち帰る際は、ぬめりを軽く取った方が氷締めの効率が上がる場合もあります)


 

まとめ:ぬめりはアオリイカの「万能スーツ」

 

アオリイカの「ぬめり」は、決して不潔なものではなく、

  1. 体を傷や病原体から守る「バリア」
  2. 速く泳ぐための「潤滑剤」
  3. 体調を整える「調整機能」
  4. 敵から逃げる「滑り効果」

といった、多様な機能を持つ**「科学的に進化した万能スーツ」**だったのです。

次にアオリイカに触れる機会があれば、そのヌルヌルに隠された生命の凄さを感じてみてください。

アオリイカの「ぬめり」は、決して不潔なものではなく、体を傷や病原体から守る「バリア」。速く泳ぐための「潤滑剤」。体調を整える「調整機能」。敵から逃げる「滑り効果」釣太郎

 

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