太刀魚は夜行性で光を嫌うはずなのに、釣り現場では水中ライトやケミホタルが必須。
矛盾のように思えるこの理由を、タチウオの習性・視覚構造・光の使い方から科学的に解説します。
最初に
タチウオ(太刀魚)は夜行性で、強い光を嫌う魚として知られています。
それなのに、夜釣りの現場では「ケミホタル」「水中ライト」「電気ウキ」など、光るアイテムが欠かせません。
「光を嫌う魚に、なぜライトを使うの?」
と疑問に思う釣り初心者も多いはずです。
実は、この“光”はタチウオを追い払うのではなく、「寄せる」「食わせる」ための武器なのです。
この記事では、その理由を生態・視覚・釣りテクニックの3つの視点から徹底解説します。
目次
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タチウオはなぜ夜行性なのか
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光を嫌うのに、なぜライトで寄ってくるのか
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ケミホタルと水中ライトの役割の違い
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効果的な光量と色の選び方
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明るすぎると逆効果になるケース
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まとめ:光は「見せ方」で武器にも罠にもなる
1. タチウオはなぜ夜行性なのか
タチウオは深場に棲む肉食魚で、日中は100m以上の深い場所に潜んでいます。
日没後、水面近くに浮上して小魚を捕食する「夜行性フィッシュ」です。
この行動には2つの理由があります。
・昼は強い光を嫌う(目が光に弱い)
・夜は獲物が油断して浅場に集まるため、捕食効率が高い
つまりタチウオは、暗闇でこそ最も活動的になります。
しかし、完全な真っ暗闇では“獲物を見つけられない”という弱点もあります。
2. 光を嫌うのに、なぜライトで寄ってくるのか
矛盾のように聞こえますが、実はタチウオは「強い光を嫌う」が「弱い光には興味を示す」魚です。
水中で光があると、小魚(ベイトフィッシュ)が集まります。
それを狙って、タチウオも自然とその光の周囲に寄ってくるのです。
さらに、タチウオの網膜は光を感じ取る「桿体(かんたい)細胞」が発達しており、暗闇でわずかな光の動きを敏感に察知します。
このため、ケミホタルやライトの“わずかな発光”は、タチウオの捕食スイッチを入れる刺激になるのです。
3. ケミホタルと水中ライトの役割の違い
夜の太刀魚釣りでは、どちらも欠かせないアイテムですが、役割は異なります。
●ケミホタル(発光体)
・仕掛けの位置を視認しやすくする
・エサやワームを“生きて動いているように”見せる
・タチウオに“存在を知らせる”
ケミホタルは、暗闇で光る小さな餌のように見えるため、タチウオが思わずアタックしてくる誘い効果があります。
●水中ライト(集魚ライト)
・プランクトン→小魚→タチウオという「光の連鎖」を作る
・周囲の明暗差で“視覚の狩猟スイッチ”を刺激
特に電気ウキや水中ライトは、海中で明暗のコントラストを作ることにより、タチウオの
「影に潜み、光の中に飛び込む」本能を利用できます。
4. 効果的な光量と色の選び方
光の色は意外と重要です。
・グリーン(緑):最も集魚効果が高い
・ブルー(青):深場や澄み潮向き
・レッド(赤):濁り潮・浅場で有効
明るすぎるライトはタチウオを遠ざけるため、「ほんのり光る」程度が理想です。
特にケミホタルはサイズ25〜37mmの小型を使い、光量を抑えることで自然な誘いになります。
5. 明るすぎると逆効果になるケース
釣り場が静かで透明度の高い夜は、光が強すぎるとタチウオが警戒します。
このような条件では、ライトを少し離れた位置に沈めるか、暗めのケミホタルを使用するのが効果的です。
また、他の釣り人と並んで釣る場合は、ライトの明るさを統一することも重要です。
明暗がバラバラだと、タチウオがどのポイントに寄るか分散してしまうため、釣果が不安定になります。
6. まとめ:光は「見せ方」で武器にも罠にもなる
タチウオ釣りにおいて、光は単なる“照明”ではありません。
それは、タチウオの狩猟本能を刺激する「誘いの演出」です。
・光はベイトを集める
・タチウオはベイトを追って寄ってくる
・弱い光は警戒されず、むしろ食いを誘発する
つまり、光を“嫌う”のではなく、“利用している”のです。
夜行性魚の心理を理解して光をコントロールできれば、釣果は一気に変わります。
ケミホタルや水中ライトは、まさに「夜釣りの武器」といえるでしょう。
要約
タチウオは夜行性で光を嫌うが、弱い光や間接的な照明は「エサを引き寄せるサイン」として働く。
水中ライトやケミホタルは、単なる視認性アップではなく、
「タチウオを寄せて食わせるための誘光装置」である。
光を使いこなせば、太刀魚釣りは一気に上達する。


