釣り人にとってアオリイカは特別な存在です。
その力強い引き、食味の良さ、そして独特の生態は、知れば知るほど面白くなるもの。
実は、アオリイカの体には驚くべき秘密があります。
それは 「血液が青色」 であるという点です。
魚や人間の血が赤いのに対し、なぜアオリイカの血は青いのでしょうか?
今回は、この不思議な現象を科学的に解説しつつ、釣り人に役立つ知識としてまとめていきます。
なぜアオリイカの血は青いのか?
一般的に、人間や魚の血液は「赤色」です。
これは血液中に ヘモグロビン というタンパク質があり、その中心にある鉄分が酸素と結合するためです。
一方、アオリイカをはじめとする軟体動物は ヘモシアニン という酸素運搬タンパク質を使っています。
ヘモシアニンは「銅イオン」を含んでおり、酸素と結合すると青色に変化します。
つまり、アオリイカの血液が青い理由は、
「酸素運搬の仕組みに鉄ではなく銅を利用しているから」 なのです。
青い血液のメリット
では、なぜアオリイカは銅ベースの血液を選んだのでしょうか?
そこには生態的なメリットがあります。
・低酸素環境でも効率よく酸素を運べる
・深場や酸素の薄い海域でも生存可能
・活発な遊泳や捕食行動を支える
つまり、ヘモシアニンは酸素が少ない海中環境でも働けるため、アオリイカにとって非常に有利なのです。
青い血は「生存戦略の一部」だといえるでしょう。
釣り人が知っておくと役立つこと
釣り人にとっても、この知識は意味があります。
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イカの鮮度管理
青い血は酸化すると変色しやすいため、アオリイカは処理後すぐに冷却することが大切です。
特に「海水氷」を使うと、真水氷よりも身質の劣化を防げます。 -
血抜きの必要性
アオリイカは魚のように血抜きをする習慣はありません。
青い血液は体内に少なく、締める際は「神経締め」や「即冷却」で十分。 -
食味への影響
血液の量が少ないため、アオリイカはクセがなく上品な味わいになります。
これが「イカの王様」と呼ばれる理由の一つです。
他の青い血を持つ生物
アオリイカ以外にも、青い血を持つ生物は存在します。
・タコ
・カニ
・エビ
・一部の巻貝
これらも同じくヘモシアニンを利用しており、酸素の少ない環境で効率よく呼吸できる仕組みを持っています。
まとめ
アオリイカの血液が青色なのは、酸素を運ぶタンパク質が ヘモシアニン(銅ベース) だからです。
・酸素の少ない環境に適応するため
・深場や活発な行動を支えるため
・釣り人目線では「鮮度管理に注意するポイント」になる
赤い血が当たり前と思っている人にとって、青い血は驚きかもしれません。
しかし、これはアオリイカが進化の中で選んだ、生き残りのための工夫なのです。
次にアオリイカを釣ったときは、その「青い血」にもぜひ注目してみてください。
そこに隠された自然の知恵が、あなたの釣りをもっと深いものにしてくれるでしょう。


