イカを食べたり釣ったりする際、アオリイカとモンゴウイカの甲羅が全く異なることに気づいた方も
いるかもしれません。
アオリイカは「透明で柔らかい甲」を、モンゴウイカは「白くて硬い甲」を持っています。
この違いは、一体なぜなのでしょうか。
今回は、この興味深い進化の理由を、科学的な視点から徹底解説します。
イカの「甲」の正体とは。
私たちが「甲羅」と呼んでいるものは、正式には「甲(こう)」または「骨」と呼ばれ、イカの祖先が持っていた貝殻の名残と考えられています。
進化の過程で、イカは身軽に泳ぐために貝殻を体内に取り込み、サイズも小さくしていきました。
現在、イカの種類によって、この甲の形や性質が大きく異なっているのです。
アオリイカの甲。水中を自在に舞うために。
アオリイカの甲は、透明で薄く、まるでプラスチックの板のようです。
その理由は、アオリイカの生態に深く関係しています。
- 軽量化による高速移動。 アオリイカは、獲物を追いかけたり、敵から逃げたりするために、高い遊泳能力を必要とします。 重くて硬い甲は遊泳の妨げになるため、アオリイカは軽量化された柔らかい甲を持つように進化しました。
- 体の柔軟性の確保。 アオリイカは、胴体のヒレを波打たせることで、繊細な動きをします。 硬い甲は体の動きを制限してしまうため、柔軟な動きを可能にするために、柔らかい甲を持つようになったのです。
モンゴウイカの甲。海底での安定と防御。
一方、モンゴウイカの甲は、白くて厚く、しっかりとした骨のような形状をしています。
この甲は、古くから薬用や研磨材として利用されてきました。
モンゴウイカの甲が硬い理由は、アオリイカとは異なる生活スタイルにあります。
- 浮力の調整。 モンゴウイカの甲は、内部に微細な空洞が多数存在しています。 この空洞にガスや液体を出し入れすることで、水中での浮力を調整し、海底付近をゆっくりと安定して移動することができます。
- 防御力の強化。 海底付近で生活するモンゴウイカは、甲殻類などの捕食者から身を守る必要があります。 硬い甲は、外部からの衝撃に強く、体を守るための「鎧」として機能します。
まとめ。生きる場所が甲羅の形を決めた。
- アオリイカの甲:透明で柔らかく、高速遊泳と体の柔軟性を追求した結果。
- モンゴウイカの甲:白く硬く、浮力調整と防御力を追求した結果。
アオリイカとモンゴウイカの甲の違いは、それぞれのイカがどのように生きるかによって、進化の方向性が分かれた結果なのです。
一見すると似ているイカですが、甲羅一つとっても、その生き様が垣間見えます。
この知識を知ることで、イカを見る目が少し変わるかもしれませんね。


