アオリイカの皮は、真皮と表皮という2つの層で構成されています。
これらの層は、コラーゲン繊維を主成分とする結合組織でつながっています。
冷凍と解凍のプロセスを経ることで、この結合組織が変化し、皮が身から分離しやすくなるのです。
1. 氷結晶による細胞組織の破壊
アオリイカを冷凍すると、身の中の水分が氷の結晶に変わります。
この氷結晶が細胞内外で膨張し、コラーゲン繊維などの細胞組織を物理的に破壊します。
これにより、皮と身を接着させていた組織が弱まり、皮が剝がれやすくなります。
2. コラーゲンの変性
冷凍、特に家庭用冷凍庫での緩慢な冷凍は、コラーゲンの変性を引き起こします。
コラーゲンは熱だけでなく、低温でも構造が変化することがあります。
この変性によって、皮と身の間の結合力が弱まり、結果として皮が剝きやすくなります。
3. 乾燥による収縮
冷凍庫内では、アオリイカの表面の水分が徐々に蒸発します。
この乾燥によって皮が収縮し、身との間にわずかな隙間が生じることがあります。
この隙間が、皮を剥がす際のきっかけとなり、作業をスムーズに進める助けになります。
美味しさもアップする熟成効果
冷凍保存は、単に皮むきを楽にするだけでなく、アオリイカを美味しくする効果も期待できます。
冷凍することによって、アオリイカの細胞内にある酵素が働き、身のタンパク質を分解してイノシン酸などのうま味成分を生成します。
このプロセスを熟成といい、より深い味わいを楽しむことができます。
まとめ:冷凍は一石二鳥のテクニック
アオリイカを冷凍することは、面倒な皮むきを楽にするだけでなく、身の熟成を促し、美味しくさせるという一石二鳥のテクニックです。
新鮮なイカをすぐに食べたい気持ちもわかりますが、一度冷凍する一手間を加えるだけで、より快適に、そして美味しくアオリイカを味わうことができます。


