はじめに:このエギ、どうしてこんなところに?
波に削られた丸い石、砕けた貝殻、打ち上げられた海藻たち――。
一見すると自然豊かな海辺の風景。
しかし、その中に**鮮やかな赤いエギ(イカ用ルアー)**が転がっています。
このような光景、実は南紀地方をはじめとする日本各地の海岸で頻繁に見られます。
「また誰かが落としたのかな…」と思われがちですが、**これほど多数のエギが漂着している背景に
は、意外な“海の真実”**が隠されています。
【現象】砂浜に“エギ”が多数打ち上げられるのはなぜ?
■ 理由①:根がかり後、ラインブレイクで海に残る
・エギング(アオリイカ釣り)では、岩場・藻場など障害物の多いポイントが好まれます。
・しかしこれが**根がかり(岩や海藻に引っかかる)**の原因に。
・無理に引っ張ると、ラインが切れてエギだけが海中に残されます。
それが波に揺られて、やがて砂浜へ漂着するのです。
■ 理由②:潮流や台風によって「放置エギ」が流されてくる
・特に秋~冬にかけては、台風や強い季節風によって海底のゴミやルアーが動きやすくなります。
・その影響で、長らく海底に沈んでいたエギが“浮上”し、海岸へ運ばれることもあります。
■ 理由③:釣り人の“無意識なポイ捨て”も一因
・根がかり後に強引に回収しようとすると、壊れたエギが使い物にならなくなることも。
・そのまま「放置」や「海に投げ捨て」てしまう人も、ごく一部に存在するのが現実です。
【現実】浜辺に落ちているエギ、よく見ると…
釣り人が見ればすぐに分かる、破損したエギの特徴。
| 部位 | 状態の特徴 |
|---|---|
| カンナ(針) | 変形・サビつき・欠損 |
| 外装布 | 擦り切れ・藻や砂の付着 |
| ウエイト | めくれ・サビ・割れ |
| アイ(糸を結ぶ部分) | 根がかり時の“ラインちぎれ”跡が残ることも |
この写真のエギも、布が大きく裂け、針先に海藻のようなものが絡んでいます。
まさに「海底で引っかかり、その後流されてきた状態」を物語っています。
【環境問題としての視点】エギも「海洋ゴミ」になる
・エギはプラスチック、金属、布など、複数の人工素材で構成されています。
・海に長期間残れば、マイクロプラスチック化し、海洋生物に悪影響を及ぼすリスクがあります。
・また、針部分はサビや破損で海中生物や他の釣り人を傷つける可能性もあります。
【対策】釣り人ができる3つのアクション
① エギング時には「根がかり対策」を意識
・水中の地形をよく知り、沈み根・藻場の位置を事前に把握
・浅場では重めのエギを避け、着底時間を調整する
・PEライン+フロロリーダーで感度と耐久性を高め、引っかかる前に察知する
② エギ回収器(ルアーリトリーバー)の携行
・市販の「ルアー回収器」を持参するだけで、8割以上の根がかりが回収可能とのデータも。
・水中に残さないだけでなく、金銭的にもエギの再利用が可能です。
③ 打ち上げられたエギは“拾って持ち帰る”
・使用不能なエギでも、海に残せばそれは海洋ゴミ。
・見つけたら、回収して適切に処分するだけでも、立派な環境貢献です。
【まとめ】エギは消耗品。でも「消えてなくなるもの」ではない
・根がかり、ラインブレイク、台風漂着――。
・どれも釣りでは「あるある」の光景ですが、放置されたエギは確実に自然に残るという現実があります。
・釣り人として、エギを「消耗品」扱いするのは自然ですが、 その先の“処理”まで意識できるか
どうかが、これからの時代の「釣り人の品格」といえるのではないでしょうか。
あなたが今日、1本のエギを回収するだけで、海と未来が少しだけきれいになります。


