「この魚、こっちではあまり見かけない」
「地元では高級魚なのに、旅先では安い?」
そんな風に、魚にまつわる地域差を感じたことはありませんか?
実は、魚の種類・食文化・価格には驚くほど強い**“地方性”**があります。
この記事ではその理由を、釣り人・料理人・市場関係者にもわかりやすく解説します。
① 捕れる魚が地域で違う理由
● 海流・水温・地形の違い
日本は南北に長く、黒潮・親潮など複数の海流が流れる海洋大国。
そのため、地域によって生息する魚がまったく異なります。
例:
・黒潮の影響が強い高知ではカツオが豊富
・寒流の親潮が届く北海道ではホッケやニシンが多い
● 漁法の違い
定置網・底引き網・一本釣りなど、地域によって得意な漁法が異なります。
この漁法の違いが捕れる魚種の差につながります。
例:
・和歌山の定置網では青物が多く獲れる
・山陰では底引き網によるアカムツやカレイが主力
② 食べる魚が地域で違う理由
● 食文化の違い(調理法や味覚の傾向)
その土地ならではの調理法があり、「美味しい」とされる基準が違います。
例:
・関西ではハモを骨切りして食べる文化が根付いている
・東北ではアイナメやソイなどの白身魚が好まれる
● 漁獲量が多い=日常的に食べる
地域でよく獲れる魚は、鮮度が良く安く流通するため、日常食として定着します。
例:
・鹿児島ではトビウオを「あごだし」として日常的に活用
・高知ではカツオのたたきが家庭料理レベルで普及
③ 魚の価格が地域で違う理由
● 近海で大量に獲れる=価格が安い
地元で豊富に水揚げされる魚は鮮度が高く、輸送コストがかからず安価です。
例:
・福井や富山でのブリは安く手に入る
・鹿児島のゴマサバは地元だと日常食、東京では高級魚
● 鮮度の維持が難しい魚は高級化
輸送に時間がかかると、味が落ちやすい魚(アオリイカ、キンメなど)は、鮮度命の魚として高級価格になります。
例:
・アオリイカは地元漁港では1000円以下/kgだが、都会では数倍の価格
・ノドグロ(アカムツ)は山陰では食卓に並ぶが、都市圏では高級店向け
④ 地域ごとの“価値観の違い”が生まれる理由
・獲れないから食べる機会がない → 知名度が低い
・料理法がない → 価値が認識されにくい
・市場に出回らない → 相場が不明瞭
このように、**同じ魚でも「知らない=価値を感じにくい」**ため、地域によって評価が大きく分かれます。
⑤ まとめ:魚の地域差は“文化”そのもの
魚の地域性は、
✔ 自然環境の違い
✔ 漁業の方法
✔ 食文化と味覚
✔ 市場の供給と需要
これらが複雑に絡み合って生まれています。
だからこそ、地方をめぐる魚の旅は面白い!
旅行や釣りの際には、ぜひ「その土地の魚」に注目してみてください。
あなたの知らない“地魚グルメ”が、そこにあります。


