「最近アオリイカが減った気がする」
「釣り人が増えすぎて資源が枯渇するのでは?」
こんな声を釣り場でよく耳にします。
たしかに、一見もっともな意見に聞こえますが、
実は**釣りで獲られているアオリイカは、自然界全体の中で見ると“ごくわずか”**なんです。
◆人間が釣っているのは、全体の「たった1〜2%」
自然界で1年間に育つアオリイカの成体数は、
世界中で見れば30億匹以上と推定されます。
一方、人間が釣りや漁業で獲るアオリイカは、
世界合計で年間およそ5,000万杯前後と見られます。
これは割合にして、
➡ 約1.6%程度
つまり、人間が釣っているのは、自然界にいるアオリイカのうち、100杯中1〜2杯程度にすぎないということ。
【視点の転換】
「海の中は思ったより広い」
私たち釣り人が見るのは、港や地磯、堤防などのごく限られたエリアです。
そこにいるアオリイカが減ったように見えると「個体数そのものが減った」と感じがちです。
でも、実際には
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外洋や深場にいる個体
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夜間や警戒心の強い個体
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まだ成長途中の個体
などがたくさん存在しており、海の広さとイカの分布をすべて把握するのは不可能に近いのです。
◆なぜ「減ったように感じる」のか?
それでも「減った」と感じる場面があるのは、
以下のような一時的・局所的な要因が関係していることが多いです。
✅ 天候や水温の変化
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黒潮の蛇行や急な水温低下により、アオリイカの回遊が遅れる
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春の産卵場所が減少すると、秋に生まれる子イカの数も減る
✅ 過密な釣り場
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人気ポイントでは同じ群れに何度も仕掛けが入り、警戒心が高まる
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同じ場所ばかり狙われると、局所的にイカが散ることもある
✅ 情報拡散の影響
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SNSやYouTubeで釣果が一気に拡がる
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一時的に釣り人が集中して「プレッシャー」がかかる
◆“釣っても減らない”わけではない。でも…
確かに、人間が釣る量が増えれば、
局地的・短期的には「減った」と感じることはあります。
でもアオリイカは
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爆発的な繁殖力をもち
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数ヶ月で成長し
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1年で世代交代する
という非常に「回復力の強い」生物です。
持続的に釣りを楽しむためには、
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一部のイカをリリースする
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産卵期の乱獲を避ける
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同じポイントに偏らない
といったバランスの取れた釣り方を意識することで、
自然と共存しながら長く楽しむことができます。
◆まとめ:目の前で見えるのは“ほんの一部”
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私たちが釣っているアオリイカは、全体のわずか1〜2%程度
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減ったように見えても、自然界全体で見ると十分に存在している可能性が高い
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一方で、人気釣り場への集中や水温変化などで“釣れにくい”状況になることも
つまり、
「減っている」のではなく「釣れにくい状況」かもしれない。
という視点も、持っておきたいところです。


