釣り人なら一度は「あれ、このアジちょっと違うな」と手を止めたことがあるはずです。
マアジとマルアジ、よく似た両者を見分ける最大のポイントは、ご指摘の通り「ゼイゴ(側線)」のカーブにあります。
この形状の違いには、それぞれの魚が選んだ「生き残り戦略」が隠されています。
マアジとマルアジ、側線の「段差」に隠された秘密
アジの代名詞ともいえるマアジ。
その側線をよく見ると、体の真ん中あたりでカクンと急激に折れ曲がっています。
対してマルアジ(青アジ)は、滑らかな曲線を描いて尾の方へ流れていきます。
この「段差」の有無は、ズバリ**「泳ぎ方のスタイルの違い」**によるものです。
マアジの「急旋回」とマルアジの「長距離走行」
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マアジ(段差あり):機動力重視 マアジは岩礁帯や沿岸に居着くことが多く、外敵から逃げたり餌を追ったりする際、瞬発的な「急旋回」や「小回り」を必要とします。 側線が急角度で折れ曲がっていることで、体の柔軟性が高まり、複雑な動きに対応しやすくなっていると考えられています。 いわば、街中をキビキビ走るスポーツカーのような構造です。
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マルアジ(段差なし):直進安定性重視 マルアジは「回遊」の傾向がより強く、広大な海を効率よく泳ぎ続けることに特化しています。 側線が直線的で滑らかなのは、水の抵抗を最小限に抑え、一定のスピードで長く泳ぐための形です。 こちらは、高速道路を巡航するツアラーのような設計といえるでしょう。
見分け方は「ゼイゴ」だけじゃない
側線のカーブ以外にも、現場で役立つ識別ポイントがあります。
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小離鰭(しょうりき)の有無 マルアジには尾鰭の付け根(上下)に、独立した小さなヒレがあります。マアジにはこれがないので、ここを見れば一発です。
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断面の形 名前の通り、マアジは少し平べったく、マルアジは断面が「丸」に近い円筒形をしています。
次に釣り上げたときは、ぜひその側線のカーブをなぞってみてください。 彼らがどんな海を、どんな風に旅してきたのかが見えてくるはずです。

