南紀のカマスも、十分うまい部類です。
ただし、ここは少し冷静に言うべきで、
「南紀だから全国のどこより必ずうまい」とまでは断言しにくいです。
まずカマス自体がもともと食味評価の高い魚です。
特にアカカマスは、うま味の強い白身で、秋から春にかけても味がよく、古くから塩焼き魚として高く評価されています。
ヤマトカマスも「水っぽい」と言われがちですが、旬の大型個体はアカカマスに劣らないとされ、問題は味そのものより鮮度落ちの早さにあります。
ここで南紀の強みが出ます。
南紀は黒潮の影響を強く受ける暖水域で、日本南方の黒潮域は海面水温の上昇傾向が指摘される海域です。
さらに黒潮影響の強い海は、暖水性魚が来遊しやすく、地域漁業にも大きく関わることが報告されています。
つまり南紀は、カマスが育ちやすく、回遊もしやすい海ではあります。
ただ、カマスの味を決める最大要因は産地名よりも、
魚種。
サイズ。
時期。
鮮度。
この4つです。
アカカマスなら高確率で当たりが多く、ヤマトカマスでも大型で釣ってすぐ処理すればかなりうまい。
結論として、南紀のカマスはうまい。
しかも南紀は黒潮恩恵でカマス場としてかなり恵まれています。
ただし「南紀産だから絶対別格」ではなく、良型を、良い時期に、すぐ締めて食べた時に真価が出る魚です。
特に南紀で釣れたアカカマスは、全国的に見てもかなり満足度の高い魚と言っていいです。

