黒鯛はうまい魚です。
しかし同時に、こうも言われます。
「チヌは臭い。」
本当にそうでしょうか。
結論から言います。
臭いの原因は“魚種”ではなく
“冷却方法”です。
黒鯛が臭いと言われる理由
黒鯛は
・雑食性
・藻類も食べる
・内湾にも入る
このため
磯臭さ
泥臭さ
が出やすい個体がいるのは事実です。
しかし最大の問題は
トリメチルアミン(TMA)。
これは魚が死後、
体内のTMAOが分解されて発生する物質。
いわゆる生臭さの正体です。
匂いは温度で決まる
TMAは
・細菌増殖
・自己消化酵素
によって発生します。
温度が1℃違うだけで
菌の増殖速度は約1.5倍変わる。
ここがポイント。
真水氷の落とし穴
真水氷は0℃。
黒鯛の体内塩分は約0.9%。
ここに塩分0%の水が触れると
浸透圧が働く。
水分が身に侵入する。
細胞が壊れやすくなる。
その結果
・ドリップ増加
・臭い物質流出
・菌増殖促進
つまり
匂いが出やすい状態を自ら作っている。
海水氷が匂いを抑える理由
海水氷は
・塩分約3%
・凍結温度 −1.8℃
魚の環境に近い。
浸透圧差が小さい。
細胞破壊が少ない。
さらに
−1〜−2℃で急速冷却。
菌の活動を抑える。
酵素分解を遅らせる。
結果
TMA発生量が抑制される。
これが匂い激減の理由です。
黒鯛は冷却で評価が変わる魚
黒鯛は筋肉が強い魚。
だから
冷却が適切なら
刺身で十分勝負できる。
逆に
冷却を間違えると
臭い魚扱いされる。
評価は氷で決まる。
実際の体感差
海水氷で冷やした黒鯛は
・身の透明感が違う
・ドリップが少ない
・皮目の匂いが穏やか
帰宅後、
包丁を入れた瞬間にわかります。
まとめ
黒鯛が臭いのではない。
冷却が悪いだけ。
海水氷は
・低温維持
・細胞保護
・菌抑制
この3つで匂いを抑えます。
黒鯛は本来、うまい魚。
最後の仕上げを間違えなければ
評価は変わります。

