【美味しさの証明】南紀の魚はなぜ「肥える」のか?黒潮と地形が織りなす「太る科学メカニズム」を解説

南紀の釣り場に通っていると、時折驚くような魚に出会うことがあります。

「なんだこのグレ、ラグビーボールみたいにパンパンだ」。

「このブリ、丸太みたいに太っているぞ」。

同じ魚種でも、他県や内湾で釣れる個体とは、明らかに体つきが違う。

内臓脂肪だけでなく、身の繊維一本一本にまで脂が差し込んだ、極上の魚体。

実はこれ、単なる「個体差」や「運」ではありません。

南紀の海には、魚を強制的に太らせる「科学的なメカニズム」が存在するのです。

そのカギを握るのは、日本列島をかすめる世界最大級の海流「黒潮」です。

しかし、ただ黒潮が流れているだけでは魚は太りません。

重要なのは、南紀特有の「リアス式海岸」と「急深な海底地形」です。

黒潮の強い流れが、南紀の複雑な海底山脈や岬にぶつかる。

すると、海底深くの冷たい海水が、壁に当たった風のように表層へと湧き上がります。

これを専門用語で「湧昇流(ゆうしょうりゅう)」と呼びます。

この湧昇流こそが、魚を太らせるスイッチです。

海底には、魚の死骸や排泄物が分解された「窒素」や「リン」などの栄養塩が大量に眠っています。

これらが湧昇流によって太陽の当たる表層へ持ち上げられる。

すると、太陽光と栄養を得た「植物プランクトン」が爆発的に発生します。

それを食べる「動物プランクトン」が増え、それを狙うイワシやキビナゴなどの「ベイトフィッシュ(小魚)」が、信じられない密度で集まります。

つまり、南紀の海は地形と海流の力で、天然の「超高栄養エサ撒き機」が24時間稼働している状態なのです。

グレやイサキ、マダイに青物。

彼らは、常に目の前に流れてくる豊富なエサを、好きなだけ飽食できる環境にいます。

さらに、黒潮の恩恵は「水温」にもあります。

冬でも水温が下がりにくいため、魚の代謝が落ちません。

寒さでじっとして痩せていくのではなく、冬でも活発に動き、もりもりとエサを食べる。

「運動量が多いのに、それ以上にカロリーを摂取する」わけですから、筋肉質でありながら脂が乗った、最高品質の魚体が出来上がるのです。

南紀の魚が美味しいのには、明確な理由があります。

それは、偶然ではなく、地球のダイナミズムが生んだ必然なのです。

もし、あなたがまだ「南紀ブランド」の魚の味を知らないのなら。

ぜひ一度、釣太郎で万全の準備を整え、磯や堤防に立ってみてください。

強烈な引きを味わった後、その魚を捌いた瞬間の包丁の重み。

そして口に入れた瞬間の脂の甘み。

そのすべてが、この「太るメカニズム」の証明となるはずです。

 

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