「この魚、今ちょうど産卵期やから脂ノリノリやで」
魚屋や釣り場で、よく聞く言葉です。
確かに
旬=産卵期。
脂が乗る=産卵期。
そう思われがちです。
でも、これ。
半分は正解で、半分は誤解です。
この記事では
魚は本当に産卵期が一番うまいのか。
なぜ脂が乗ると言われるのか。
魚種による決定的な違い。
この辺りを、現場感重視で解説します。
結論から言うと「産卵期が一番うまい」は魚による
まず結論です。
魚は
・産卵前が一番うまい魚
・産卵中でもうまい魚
・産卵後に一気に味が落ちる魚
この3タイプに分かれます。
「産卵期がうまい」という表現は
正確には
産卵“直前”がうまい魚が多い
これが真実です。
なぜ産卵前に脂が乗るのか
魚は産卵のために
とんでもないエネルギーを使います。
卵や白子を作る。
長距離を移動する。
外敵から身を守る。
このため
産卵前は
体にエネルギーを溜め込みます。
そのエネルギーの正体が
脂。
特に
内臓脂肪。
皮下脂肪。
これがピークに達するのが
産卵直前です。
ここを食べると
「脂が甘い」
「身が濃い」
と感じやすくなります。
産卵が始まると何が起きるか
ここが誤解されやすいポイントです。
産卵が始まると
魚は
食わなくなります。
体力を一気に使います。
その結果
・身が水っぽくなる
・脂が抜ける
・身が痩せる
いわゆる
「産卵後のボロボロ状態」
になります。
これを
「産卵期でもうまい」
と思って食べると
あれ?
となるわけです。
魚種別。産卵期と味の関係
ここからが重要です。
アジ
マアジ
アジは
産卵前〜初期がうまい。
産卵が進むと
一気に痩せる。
脂が抜ける。
「梅雨アジがうまい」と言われるのは
産卵直前だから。
アオリイカ
アオリイカ
アオリイカは特殊です。
産卵期でも
身質が大きく落ちにくい。
ただし
甘みのピークは
産卵前〜初期。
産卵後は
身が硬くなりやすい。
マダイ
マダイ
乗っ込みマダイ。
これは
産卵直前の代表格。
脂。
旨味。
身の張り。
すべてがピーク。
ただし
産卵が終わった
「産卵明け」は
一気に味が落ちます。
カツオ
カツオ
カツオは
産卵期より
回遊ルートと餌。
初ガツオ。
戻りガツオ。
産卵そのものより
食ってる内容が味を決めます。
「産卵期=脂が乗る」が当てはまらない魚
全部の魚が
脂でうまくなるわけではありません。
ヒラメ。
タチウオ。
根魚の一部。
これらは
産卵期より
水温や餌条件の影響が大きい。
「産卵期やからうまい」と
一括りにすると
ズレます。
釣り人・魚屋目線での本音
正直な話。
一番うまいのは
・産卵前
・よく餌を食っている
・身が張っている
この3点が揃った魚です。
産卵期という言葉は
目安にはなる。
でも万能ではない。
魚は
カレンダーではなく
体つきで判断。
これが一番確実です。
まとめ
「魚は産卵期が一番うまい」は
半分本当。
半分間違い。
正しくは
産卵直前が一番うまい魚が多い。
産卵が始まると
一気に味が落ちる魚も多い。
旬を知るなら
産卵期だけでなく
体の張り。
脂。
身質。
ここを見るのが
本当にうまい魚を食べる近道です。
次に魚を手に取った時は
「今、産む前か?後か?」
ぜひそこを意識してみてください。

