釣り人なら一度は拝みたい、正真正銘の**「シロアマダイ(白甘鯛)」**です。
普通のアマダイ(赤)でさえ高級魚として扱われますが、この「白」は別格中の別格。
市場では「幻」と呼ばれ、とんでもない高値で取引されるまさに海の宝石です。
今回は、この最高級品「シロアマダイ」を中心に、アマダイ3種(赤・白・黄)の違いや生態、
そしてなぜそこまで美味しいのかを徹底解説します。
アマダイには「3色」ある!その階級社会とは
アマダイは大きく分けて「アカ」「シロ」「キ」の3種類が存在します。
それぞれ生息域や味が異なり、市場価値も明確なランク付けがされています。
1. シロアマダイ(白甘鯛):【階級:神】
今回のお写真の魚です。
体色は白っぽく、少しピンクがかったような輝きがあります。
3種の中で最も大きく成長し(60cmを超えることも)、そして圧倒的に数が少ないのが特徴です。
「幻の魚」と言われる所以はここにあり、キロ単価が数万円になることも珍しくありません。
2. アカアマダイ(赤甘鯛):【階級:将軍】
一般的にスーパーや鮮魚店で「アマダイ」として売られているのがこの子です。
鮮やかな赤色が特徴で、京都では「グジ」と呼ばれ、京料理には欠かせない高級食材です。
シロには及びませんが、それでも十分に高級で美味しい魚です。
3. キアマダイ(黄甘鯛):【階級:庶民派?】
全体的に黄色っぽく、目元やヒレが黄色いのが特徴です。
3種の中では最も深場に生息しており、少し水っぽい身質のため、市場価値は他の2種に比べると少し下がります。
それでも「アマダイ」の名に恥じぬ美味しさは持っています。
砂泥に潜む「穴掘り名人」の生態
アマダイは漢字で「甘鯛」と書きますが、実はタイ(スズキ目タイ科)の仲間ではありません。
スズキ目アマダイ科という独自のグループです。
彼らの最大の特徴は、**「海底に巣穴を掘る」**こと。
砂泥質の海底に穴を掘り、普段はその中に隠れて顔だけ出したり、出入りしたりして生活しています。
釣り人がアマダイを掛けたとき、リールを巻いても「ズボッ、ズボッ」と重くなる瞬間がありませんか?
あれは、アマダイが必死に巣穴に逃げ込もうとしたり、泥に突っ込んだりしている抵抗だと言われています。
究極の食味!なぜ「シロ」は別格なのか
アマダイの身は水分が多く、非常に柔らかいのが特徴です。
しかし、その水分の中にこそ、強烈な「甘み」と「旨味」が含まれています。
それぞれの味わいを見てみましょう。
【シロアマダイの味】
一言で言うと、**「脂の乗りと甘みが異常」**です。
他の2種に比べて身の弾力が強く、ねっとりとした脂が全身に回っています。
刺身にしたときの濃厚な甘さは、他の白身魚では味わえないレベル。
昆布締めにすると、水分が抜けて旨味が凝縮され、気絶するほど美味しくなります。
【アカアマダイの味】
上品な甘みと、ほろっと崩れる柔らかい身が魅力です。
焼き物にすると皮目の香ばしさと身の甘さが引き立ちます。
【キアマダイの味】
少し水気が多いため、刺身よりは干物や味噌漬けに向いています。
火を通すことで身がふっくらし、独特の風味が楽しめます。
アマダイと言えばこれ!「松笠揚げ」
どのアマダイを料理するにしても、絶対に外せないのが**「松笠揚げ(まつかさあげ)」**です。
アマダイの鱗(うろこ)は、薄くて柔らかいため、油で揚げるとサクサクの花が開くように逆立ちます。
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パリパリサクサクの鱗
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皮目の香ばしい脂
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ふっくらジューシーな身
この3つの食感が一度に口の中で弾ける瞬間は、まさに至福。
特にシロアマダイで作る松笠揚げは、脂の甘みが衣と一体になり、言葉を失う美味しさです。
まとめ
釣り人だからこそ出会える、最高級の食材です。
「水っぽいから」と敬遠されがちなアマダイですが、その水分こそが「甘みのジュース」です。
少し脱水して刺身にするもよし、鱗ごと揚げて香ばしさを楽しむもよし。
幻の味を、余すことなく堪能してくださいね。

