「活き造り」という言葉があるせいか、「魚は活かしておいた方が新鮮で美味しい」と信じている方が意外と多いようです。
釣ったグレをバッカンに入れ、ブクブク(エアポンプ)をして大切に持ち帰る。
家族に見せたい、その優しさは素晴らしいです。
しかし、食味という点だけで言えば、これは最悪の選択と言わざるを得ません。
心を鬼にして言います。
バッカンで運ばれてきたそのグレ、残念ながら臭くて食べられたものではないかもしれません。
1.なぜ「活かして持ち帰る」と不味くなるのか?
狭いバッカン、揺れる車内、急激な水温変化。
魚にとって、これ以上の地獄はありません。
極度のストレスを感じた魚は、暴れてエネルギーを使い果たし、体内に疲労物質(乳酸など)を溜め込みます。
さらに最悪なのが、**「血が全身に回りきってしまう」**こと。
興奮状態で全身の毛細血管に充血した血は、あとから抜こうとしても抜けません。
結果、身全体が赤黒く変色し、あの独特の生臭さが身に染み付いてしまうのです。
2.「後から絞めればいい」は大間違い
「家に着いてから絞めて、血抜きをすればいいのでは?」
そう思うかもしれませんが、それでは遅いのです。
ストレスでヘトヘトになった魚は、心臓のポンプ機能も弱っています。
いざエラを切っても、血を押し出す力が残っていません。
結果、ドロっとした古い血が体内に残り、それが腐敗や臭みの原因になります。
お刺身にした時、身が透き通らず、なんとなく濁っているのは、この「抜けきらなかった血」のせいです。
3.美味しく食べるための「鉄則」はこれだけ
釣った魚を最高に美味しく食べる方法は、一つしかありません。
「釣ったら即、絞めて、血を抜き、冷やす」
これだけです。
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即座に脳締め 魚が暴れて旨味成分(ATP)を消費する前に、一瞬で絶命させます。
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完全に血を抜く 心臓が動いているうちにエラを切り、海水で振って血を出し切ります。
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海水氷(潮氷)で急冷 体温を下げて、鮮度劣化を物理的に止めます。
この処理を現場でした魚と、活かして持ち帰って家で死なせた魚。
食べ比べれば、素人の方でも「別の魚か?」と思うほど味が違います。
まとめ:家族に見せるなら「写真」で!
活きた魚を見せたい気持ちは、スマホの動画や写真で叶えましょう。
そして、家に持ち帰るのは**「最高の状態で処理された、極上の食材」**であるべきです。
「パパが釣ってきた魚、全然臭くない!甘くて美味しい!」
そう言われるためには、バッカンで飼うのではなく、現場で鬼になって「即・血抜き」です。
釣太郎では、魚を冷やすための「海水氷」も完備しています。

