昔の魚屋といえば。
・前掛け
・長靴
・威勢のいい声
・そして「手カギ」
この4点セットでした。
大きなマグロ。
重たいブリ。
デカいカツオ。
それを、ひょいっと引っ掛けて持ち上げる。
あれぞ、魚屋の象徴でした。
でも最近、ほとんど見ません。
あの手カギ。
いったい、どこへ消えたのか。
手カギ(手鉤)って、そもそも何?
正式には「手鉤(てかぎ)」。
短い柄の先に、鋭いカギが1本ついた道具です。
用途はシンプル。
・重たい魚を持ち上げる
・箱から引き出す
・運ぶ
・並べる
とにかく「持てない魚を扱うための道具」でした。
特に、
・マグロ
・ブリ
・カンパチ
・大型サワラ
この辺では必須でした。
昔は「腕の象徴」でもあった
昔の魚屋は、こうでした。
手カギ1本。
素手で魚を操る。
これができて一人前。
下手な人が使うと、
・身を傷つける
・商品価値を落とす
・怒られる
即アウト。
つまり、手カギは「職人の勲章」でもあったんです。
なぜ手カギは消えたのか?
理由は1つじゃありません。
時代が変わりました。
① 衛生管理が厳しくなった
最大の理由です。
今は、
・HACCP
・食品衛生法
・保健所基準
これがガチガチです。
魚に穴を開ける。
血が出る。
菌が入る。
これ、今となっても問題視されることも。
② 商品価値を落とすリスク
手カギは、必ず身に刺さります。
つまり、
・キズがつく
・血が回る
・色が悪くなる
刺身用なら致命傷。
1匹で数千円、数万円変わる世界です。
使えません。
③ フォークリフト・台車の普及
昔は人力。
今は機械。
・パレット
・台車
・リフト
これで十分。
わざわざ刺す必要がなくなりました。
④ 働き方の変化
これも大きい。
昔:
気合・根性・職人主義
今:
安全第一・効率重視
手カギは普通に危ないです。
滑ったら、大ケガ。
時代に合わなくなりました。
今は何で魚を扱っているのか?
今の現場は、こうです。
・ゴム手袋
・滑り止め付き軍手
・フィッシュグリップ
・担架ネット
・クレーン
これが主流。
「刺さずに運ぶ」が基本です。
それでも手カギが残る場所
ゼロではありません。
まだ使われている現場もあります。
・遠洋マグロ漁船
・一部の競り場
・解体ショー
・伝統市場
いわば、
「生きた文化財」みたいな存在です。
手カギが消えて失われたもの
正直、少し寂しいです。
手カギには、
・職人感
・迫力
・風格
・昭和の匂い
がありました。
今はキレイで安全。
でも、
ちょっと無骨なカッコよさは減りました。
釣り人目線で見る「手カギ」
実は、釣り人にも関係あります。
昔は、
「デカい魚=カギ打つ」
今は違います。
今は、
・ギャフは最小限
・できれば口掛け
・身を傷つけない
これが基本。
魚の価値を守る考え方に変わったんです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 今でも買えますか?
買えます。
専門店やネットで普通にあります。
ただし用途は限定的。
要約(まとめ)
・手カギは昔の魚屋の象徴
・今は衛生と安全で消えた
・刺す=商品価値ダウン
・機械化で不要になった
・文化として残っているだけ
手カギは、「時代に置いていかれた道具」ではありません。
役目を終えた、誇りある道具です。

