スーパーの鮮魚コーナーに並ぶ、パック入りの牡蠣。
「生食用」と「加熱用」、どちらを買うか迷ったことはありませんか。
そして、多くの人がこう思っているはずです。
「生食用は新鮮だから刺身で食べられる。」
「加熱用は鮮度が落ちているから、火を通さないといけない。」
実は、これは大きな間違いです。
もし「加熱用の方が新鮮そうだから」といって生で食べたら、取り返しのつかないことになります。
今回は、意外と知られていない牡蠣の「本当の違い」について解説します。
■違いは「鮮度」ではなく「育った海」
結論から言います。
両者の違いは、**「保健所が指定した海域で獲れたかどうか」**だけで決まります。
鮮度は全く関係ありません。
むしろ、水揚げから店頭に並ぶまでの時間は、加熱用の方が短いことさえあります。
では、具体的に何が違うのかを見ていきましょう。
1. 生食用=「断食させた」綺麗な牡蠣
(※推奨画像サイズ:横1200×縦675)
生食用の牡蠣は、以下の2つのパターンのどちらかです。
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指定海域で採取: 保健所が「菌やウイルスが非常に少ない」と指定した、沖合などの綺麗な海域で育ったもの。
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浄化処理済み: 紫外線殺菌した海水や、綺麗な海水を入れたプールに数日間入れて「断食」させ、内臓に残った汚れやウイルスを吐き出させたもの。
つまり、生食用は**「安全性を最優先して、身を綺麗にした牡蠣」**です。
しかし、数日間絶食させて洗浄するため、身が少し痩せてしまったり、牡蠣本来の濃厚な旨味が薄れてしまうというデメリットもあります。
2. 加熱用=「栄養たっぷり」の濃厚な牡蠣
一方、加熱用の牡蠣は、河口付近などの「栄養分(プランクトン)が豊富な海域」で育ったものです。
プランクトンが多いということは、牡蠣が餌をたくさん食べて丸々と太り、味が濃厚になります。
しかし、ここにはリスクも伴います。
河口付近は生活排水などの影響を受けやすく、ノロウイルスなどのウイルスもプランクトンと一緒に取り込んでしまう可能性が高いのです。
つまり、加熱用は**「味は最高だが、ウイルスを持っている可能性がある牡蠣」**です。
だからこそ、中心部までしっかり加熱して、ウイルスを死滅させてから食べる必要があるのです。
■「新鮮な加熱用」を生で食べるとどうなる?
「獲れたての加熱用牡蠣なら、新鮮だから生でいけるでしょ?」
これは、ロシアンルーレットをするようなものです。
いくら獲れたてで鮮度が抜群でも、その内臓にはノロウイルスが潜んでいるかもしれません。
ノロウイルスは鮮度に関係なく存在し、熱を加えない限り死滅しません。
加熱用を生で食べると、激しい嘔吐や下痢に襲われる確率が格段に跳ね上がります。
絶対にやめましょう。
■料理に合わせるのが正解
この違いを知っていれば、料理によって賢く使い分けることができます。
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生食用: ポン酢やレモンで、つるっと生のまま食べたい時に。 味はあっさりめですが、安全安心です。
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加熱用: カキフライ、牡蠣鍋、グラタンなどに。 加熱しても身が縮みにくく、濃厚なクリーミーさを楽しめます。 火を通す料理なら、加熱用の方が断然美味しく仕上がります。
■まとめ
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「生食用」と「加熱用」の違いは鮮度ではない。
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「生食用」は洗浄・浄化された、安全重視のあっさり味。
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「加熱用」は栄養豊富な海で育った、濃厚な味(要加熱)。
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加熱用を生で食べるのは、新鮮でも絶対にNG。
スーパーで牡蠣を選ぶ際は、賞味期限や鮮度だけでなく、この「用途」を必ず確認してください。
それぞれの特徴を理解して、安全に冬の味覚を楽しみましょう。

