「釣りたての魚を食べたのに、スーパーの魚より水っぽくて美味しくなかった」
そんな経験をして、首をかしげたことはありませんか?
実は、魚の味を決めるのは「海の中にいる時のコンディション(旬・餌・個体差)」だけではありません。
釣り上げた瞬間から包丁を入れるまでの「事後処理」こそが、最終的な食味を左右するのです。
今回は、魚の美味しさにおける「冷却の重要度(%)」と、プロが実践する
「本当に正しい冷やし方」について解説します。
美味しさの方程式。冷却(持ち帰り方)は何%を占めるのか?
結論から申し上げます。 魚の美味しさを100点満点とするならば、その内訳は以下のようになります。
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素材のポテンシャル(旬・場所・個体差):50%
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釣り人の事後処理(締め・冷却・保存):50%
つまり、どんなに脂の乗った最高級の「寒尺アジ」や「メイチダイ」を釣っても、
冷却に失敗すれば、その味は50点以下(赤点)になってしまうということです。
逆に、平均的な個体であっても、完璧な冷却処理を施せば、素材の味を100%引き出し、
高級料亭に匹敵する味に昇華させることができます。
冷却は「味の減点を防ぐ」だけでなく、「旨味を残す」ための最重要工程なのです。
見出し2:なぜ「冷却」しないと不味くなるのか?科学的な理由
魚を冷やさなければならない理由は、単に「腐らせないため」だけではありません。
最大の目的は「旨味の元(エネルギー)」を温存することにあります。
1. ATP(アデノシン三リン酸)の浪費を防ぐ
魚の筋肉中には「ATP」というエネルギー物質が含まれています。
このATPは、魚が死んだ後に分解され、旨味成分である「イノシン酸」に変化します。
しかし、高温状態や魚が暴れている状態では、このATPが急速に消費され、消滅してしまいます。
「即座に冷やして動きを止める」ことでATPの減少を食い止め、後の旨味成分を最大化できるのです。
2. 死後硬直のコントロール
魚は死後、時間が経つと身が硬くなる「死後硬直」が始まります。
適切な温度(5℃〜10℃前後)で冷やすことで、この硬直の開始を遅らせ、硬直時間を長く保つことができます。
これにより、プリプリとした食感を長時間維持することが可能になります。
逆に、冷やしすぎ(0℃未満での凍結)や冷やし不足(常温)は、身割れや白濁の原因となります。
最強の冷やし方は「海水氷(潮氷)」一択
では、具体的にどう冷やすのが正解なのでしょうか。
クーラーボックスに氷を入れるだけでは不十分です。
科学的に最も効率が良いのは、**「液体で冷やす」**ことです。
空冷(氷の上に置く)vs 水冷(氷水に漬ける)
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空冷(×): 空気は熱伝導率が悪いため、魚の芯まで冷えるのに時間がかかります。 その間に鮮度劣化が進みます。
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水冷(◎): 液体は空気の約20倍以上の熱伝導率を持ちます。 氷と海水を混ぜた「潮氷(しおごおり)」に魚をドブ漬けすることで、瞬時に魚の体温を奪い、鮮度をロックします。
注意点:「真水」はNG、「海水氷」がベスト
ここで注意が必要なのが「塩分濃度」です。
真水の氷が溶けた潮氷は塩分濃度が低く、浸透圧で魚が水っぽくなります。
これを防ぐ究極の方法が、**「海水を凍らせた氷(海水氷)」**を使用することです。
これなら溶けても海水濃度のままなので、浸透圧による劣化(水太り)を100%防ぎながら、
マイナスの温度帯で急速冷却が可能になります。
まとめ:釣果の価値を決めるのは、あなたのクーラーボックス
「魚の味は、海から上がった瞬間に決まるのではなく、どう冷やしたかで決まる」。
この意識を持つだけで、持ち帰った魚の味は劇的に向上します。
特に南紀のような水温の高いエリアや、夏場の釣りでは、冷却のスピードが命です。
釣太郎では、この「冷却の50%」を完璧にするための**「高純度海水氷」**をご用意しています。
次回の釣行では、ぜひ「完璧な冷却」を実践して、50%のポテンシャルをフルに引き出した
魚の味をご堪能ください。

