はじめに:魚を一律に扱っていませんか?
クーラーボックスに氷と海水を入れ、釣れた魚を次々と放り込んでいく。
これは手返し重視の釣り場ではよくある光景です。
しかし、帰宅して刺身にした時、「アジは美味しいのに、グレはなんだか水っぽい…」と感じたことはないでしょうか?
実はこれ、魚種ごとの「弱点」の違いを無視してしまった結果なのです。
「腐りやすい青物」と「繊細な白身魚」では、持ち帰りの正解が真逆になることがあります。
その決定的な違いについて解説します。
アジ(青物)の場合:「スピード勝負の氷締め」
アジ、サバ、イワシなどの青物は、非常に代謝が高く、死んだ直後から急激に劣化が始まります。
自分自身の消化酵素で身を溶かしてしまうほどです。
そのため、アジにとって最大の敵は「熱」と「時間」です。
【最適な方法:海水氷(氷締め)】
アジは、釣れた瞬間に「海水氷(シャーベット状の氷水)」に放り込むのがベストです。
これを「氷締め(こおりじめ)」と呼びます。
【理由】
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即死&急冷: 0℃近い氷水に漬けることで、瞬時に絶命させると同時に、体温を一気に奪って劣化を止めます。
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小さいので塩分が入りにくい: アジ程度のサイズであれば、短時間漬け込んでも塩分が身の奥まで入りすぎることはありません(※長時間は注意)。
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ヒスタミン対策: 食中毒の原因となるヒスタミン生成菌は常温で増殖するため、秒速で冷やすことが安全に直結します。
グレ(白身魚)の場合:「水気を避ける間接冷却」
一方、グレ(メジナ)やチヌ、タイなどの白身魚は、青物に比べて死後の劣化スピードは緩やかです。
しかし、その代わりに「水分」の影響を非常に受けやすいという特徴があります。
グレにとって最大の敵は「真水」と「浸透圧」です。
【最適な方法:袋に入れて間接冷却】
グレをアジと同じように氷水に漬けっぱなしにするのはNGです。
身が水を吸って「水フグ」のようなブヨブヨの状態になり、せっかくの繊細な旨味が台無しになります。
【正しい手順】
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活け締め・血抜き: まずはナイフ等で締め、血を抜きます(ここまでは海水を使ってOK)。
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急冷(短時間): 体温を下げるために5分~10分程度だけ海水氷に漬けるのは有効です。
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水から出す(重要): 表面が冷えたらすぐに水から引き上げます。
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袋に入れて氷に乗せる: ビニール袋に入れて口を縛り、氷の上に置く(または新聞紙を挟む)などして、水や氷が直接魚に触れないように持ち帰ります。
まとめ:違いは「代謝」と「身の質」
簡単に言えば、以下のようになります。
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アジ(青物): 腐るのが早いから、水に濡れてもいいから**「とにかく早く芯まで冷やす」**。
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グレ(白身魚): 腐るのは遅いから、冷やすことよりも**「身が水を吸わないこと」**を優先する。
この「使い分け」ができるようになれば、アジはプリプリ、グレはモチモチの最高の状態で食卓に並べることができます。
釣太郎みなべ店では、アジの氷締めに最適な**「海水氷(1kg 200円~)」を販売中です。
また、グレを美味しく持ち帰るための「厚手の保存袋」や「神経締めワイヤー」**も取り揃えております。
狙う魚に合わせて、クーラーボックスの中身もプロ仕様に準備しておきましょう。
皆様の釣果持ち込み、心よりお待ちしております。

