【南紀のレッドモンスター】アオリイカの「赤系・白系」は科学的に別種?巨大化の謎と見分け方を徹底解説

はじめに:釣り人の噂は本当か?

南紀の海が熱くなる冬から春。

キロアップはもちろん、3キロ、4キロといった夢のサイズが狙えるシーズンです。

ここでよく耳にするのが「赤系(アカ)」「白系(シロ)」という言葉。

「赤系はデカくなる」 「深場にいるのが赤系」 これらは単なる釣り人の都市伝説なのでしょうか?

それとも科学的な裏付けがあるのでしょうか?

今回は、アオリイカの「赤・白」の謎に科学的見地から迫ります。


1. 結論:赤系と白系は「遺伝的に異なる」可能性が極めて高い

結論から言うと、アオリイカの赤系・白系は、単なる個体差ではありません。

近年の遺伝子解析の研究により、日本沿岸のアオリイカには、遺伝的に異なる「3つの集団(型)」

が存在することが分かってきています。

以前は同種とされていましたが、現在は以下の3タイプに分類されるのが定説となりつつあります。

  1. シロイカ型(白系): 日本全国に生息する最も一般的なタイプ。

  2. アカイカ型(赤系): 南方系で巨大化するタイプ。

  3. クアイカ型: 小型で沖縄などに多いタイプ。

つまり、釣り人が現場で感じていた「なんか違う」という感覚は、科学的にも正しかったのです。


2. 何が違う?「赤系(アカイカ型)」の特徴

南紀で「レッドモンスター」と呼ばれるこのタイプには、白系とは明確な違いがあります。

① 成長スピードとサイズ

赤系の最大の特徴は、その成長速度です。

白系が最大でも3kg程度であるのに対し、赤系は成長が早く、4kg〜5kgを超えるサイズまで巨大化します。

寿命はどちらも1年程度と言われていますが、その短い期間で到達するサイズが全く異なります。

② 生息域と回遊ルート

白系は比較的沿岸の藻場(シャローエリア)に居着く傾向があります。

一方、赤系は黒潮の影響を受ける海域を好みます。

沖の深場(ディープエリア)を回遊し、産卵のタイミングで接岸してきます。

そのため、南紀の串本や周参見など、黒潮が当たるエリアで実績が高いのです。


3. 現場での見分け方:色だけで判断してはダメ?

「釣れたイカが赤っぽいから赤系だ!」と

思いがちですが、実は体色だけで判断するのは難しい場合があります。

アオリイカは興奮すると色素胞を広げて赤黒くなるため、白系でも赤く見えることがあるからです。

しかし、いくつかの識別ポイントがあります。

  • 体型: 赤系は胴が長く、全体的にスマートな印象を受けることが多い。

  • エンペラ(ヒレ): 赤系の方がエンペラが大きく、筋肉質であると言われます。

  • 斑紋(ハンモン): 背中の斑点模様が、白系は丸っぽいのに対し、赤系は横長になりやすいという説があります(※個体差あり)。

確実に見分けるにはDNA鑑定や平衡石(耳石)の形状確認が必要ですが、

「南紀の深場で釣れた3kgオーバー」であれば、十中八九「赤系」と考えて良いでしょう。


4. 南紀で赤系(レッドモンスター)を狙うための戦略

科学的な違いがわかれば、狙い方も変わります。 赤系を仕留めるためのポイントを整理しましょう。

  • 水深を意識する: 白系よりも深いライン(水深10m〜30mなど)を回遊します。 オカッパリなら潮通しの良い堤防の先端や、急深な磯が狙い目です。

  • 潮の流れを読む: 黒潮の分流が入っているタイミングが最大のチャンスです。 水温が高い(16度〜17度以上)安定した潮を好みます。

  • タックル強度: 3kgオーバーのジェット噴射は強烈です。 エギのカンナが伸ばされないよう、太軸のものを選び、ラインシステムも万全にしておく必要があります。


まとめ:ロマンを求めて南紀へ

「赤系」と「白系」は、科学的にも異なる生態を持つ存在でした。

特に冬から春にかけての南紀は、黒潮に乗ってやってくる巨大な赤系と出会える日本有数のフィールドです。

「たまたま大きかった」のではなく、「違う種類のモンスターを狙って獲る」。

その知識を持って竿を振れば、寒風吹きすさぶ冬の釣りも、より一層熱くなるはずです。

タイトルとURLをコピーしました