イシダイとイシガキダイの交雑種(ハイブリッド)で、通称**「キンダイ」**(またはイシガキイシダイ)と呼ばれる魚です。
イシダイの特徴である「縞模様」と、イシガキダイの特徴である「斑点」が混ざった独特の見た目をしています。
以下に、なぜこのハイブリッド魚が野生化しているのか、その理由と特徴を詳しく解説します。
1. キンダイ(イシガキイシダイ)とは?
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親魚の組み合わせ 一般的に**「雌のイシダイ」と「雄のイシガキダイ」**を掛け合わせたものを指します。 近畿大学(Kindai University)が1960年代に人工交配・養殖に成功したことから「キンダイ」という愛称で呼ばれるようになりました。
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ハイブリッドの利点 イシダイの「成長の速さ・強さ」と、イシガキダイの「身の厚み・脂の乗り」という、両親の良いところを併せ持っています。
2. なぜ野生(天然)で存在するのか?
本来は養殖技術によって生まれた魚ですが、近年は天然の海でも釣獲例が増えています。
主な理由は以下の2点と考えられています。
① 海水温の上昇と産卵期の重なり
これが最大の要因とされています。
本来、イシダイとイシガキダイは産卵のピークや好む水温が微妙に異なり、自然界での交配は稀でした。
しかし、近年の温暖化により海水温が上昇し、両者の産卵時期が重なる(シンクロする)ケースが増えました。
その結果、同じ磯場に生息する両種が自然交配し、ハイブリッドであるキンダイ(天然交雑種)が生まれています。
② 生息域の北上と重複
南方系のイシガキダイが、水温上昇に伴って生息域を北へ広げています。
これにより、元々イシダイが多く住んでいた海域にイシガキダイが入り込み、出会う確率が格段に高くなりました。
特に南紀エリアのような黒潮が当たる豊かな海では、両種が濃く混在しているため、こうした交雑個体が見つかりやすくなっています。
3. 釣り・食味としての価値
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味は極上 イシダイの繊細な旨味と、イシガキダイの濃厚な脂の甘みを兼ね備えており、非常に美味です。 特に刺身や皮目の湯引きは絶品とされます。
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強烈な引き 「幻の魚」とも呼ばれ、引きの強さも親譲りで強烈です。 狙って釣れる魚ではないため、釣り上げたらかなりの幸運と言えます。
もしこれが釣れた個体であれば、非常にラッキーな「幻の1匹」です。 美味しくいただいてください。

