はじめに:釣り人の常識?オキアミの正体
フカセ釣り、カゴ釣り、船釣りなど、あらゆる釣りの撒き餌や刺し餌として使われる「オキアミ」。
私たち釣り人にとって最も身近なエサの一つですが、その正体を詳しく知っている人は
意外と少ないのではないでしょうか。
「エビの仲間でしょ?」
「南極から来ているの?」
今回は、そんな知っているようで知らない「オキアミ」の秘密について解説します。
これを知れば、いつもの釣りが少し面白くなるかもしれません。
1. 衝撃の事実!オキアミは「エビ」ではない
見た目はどう見てもエビですが、生物学的な分類ではオキアミはエビではありません。
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エビ:十脚目(じっきゃくもく)
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オキアミ:オキアミ目
あえて言うなら、「エビに似たプランクトン」の一種です。
最大の違いは、足の付け根にある「エラ」の構造です。
エビのエラは甲羅の中に隠れていますが、オキアミのエラは外に露出しています。
釣りエサとして触っているときによく見ると、足の付け根にフサフサしたものが付いているのが分かります。
これがエラであり、オキアミである証拠なのです。
2. 世界中にいるのに、なぜ「南極オキアミ」ばかり?
「オキアミ」という名前の生き物は、実は世界中の海に分布しています。
日本近海にも「ツノナシオキアミ」などが生息しており、クジラや魚の重要な食料となっています。
しかし、釣具店でブロックとして売られているのは、ほぼ100%が**「ナンキョクオキアミ」**です。
理由は単純で、資源量が桁違いに多いからです。
南極海には数億トンとも言われる莫大な量の
オキアミが生息しており、大型船で大量に捕獲して冷凍加工するシステムが確立されています。
そのため、釣りエサとして安価に安定供給できるのが南極オキアミなのです。
3. 「オキアミ」と「アミエビ」は別物?
よく混同されるのが、サビキ釣りで使う「アミエビ」です。
釣具店では「アミ」と呼ばれますが、これはオキアミを小さくしたものではありません。
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オキアミ:体長3cm~5cm程度(南極オキアミなど)。
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アミエビ:体長1cm前後。正体は「アキアミ」などのサクラエビ科のエビや、イサザアミなどのアミ類。
つまり、オキアミはプランクトンですが、アミエビ(アキアミ)は正真正銘のエビの仲間であることが多いのです。
名前が似ていてややこしいですが、全く別の生き物です。
4. 実は人間も食べられる?栄養価は?
「これだけ大量にあるなら、人間も食べられるのでは?」 そう思ったことはありませんか。
答えは**「YES」**です。
オキアミは非常に栄養価が高く、特に「アスタキサンチン」という赤い色素成分や、DHA・EPAを豊富に含んでいます。
マダイの養殖などで、魚体の赤色を鮮やかにするためにエサに混ぜられることもあります。
人間用としても、乾燥させたオキアミがふりかけに入っていたり、「クリム油」としてサプリメントになったりしています。
韓国のキムチ作りなどでも塩辛として使われることがあります。
【重要】釣りエサのオキアミは食べてはいけません!
ただし、釣具店で売っている「釣りエサ用のオキアミ」は絶対に食べないでください。
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人間用の衛生基準で管理されていない。
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変色を防ぐための保存料や添加物が含まれている場合がある。
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一度解凍と冷凍を繰り返している可能性がある。
人間が食べる場合は、必ず「食用」として販売されているものを選びましょう。
まとめ
オキアミについてまとめると、以下のようになります。
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見た目はエビだが、分類上はプランクトン。
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種類は多いが、釣りエサはほぼ「南極オキアミ」。
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サビキの「アミエビ」とは別の生き物。
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人間も食べられるほど栄養満点だが、釣りエサ用は食べてはいけない。
魚たちがこぞって食べるのも納得の栄養価と旨味を持っているオキアミ。
次回の釣行でハリに刺すときは、「はるばる南極から来たプランクトンなんだな」と思い出してみてください。
魚へのアピール力が違って見えるかもしれませんよ。

