さあ釣るぞと投げた瞬間、手元の重みがフッと消えるあの絶望感。 高価なウキや愛用のルアー、最悪の場合は自作のヤエンまで失ってしまう「高切れ(たかぎれ)」。 「運が悪かった」とか「糸が安物だったから」と諦めていませんか? 実は高切れには、明確な「犯人」がいるケースがほとんどです。 今回は、ラインブレイクの意外な原因と、自分でできるチェック方法を徹底解説します。
原因①:一番多い犯人はこれ!「ガイドの傷」
「竿のガイド(糸を通す穴)」の内側を、じっくり見たことはありますか? 一見きれいに見えても、実はここに目に見えない「刃物」が潜んでいることがあります。 移動中に岩へ軽くぶつけたり、フック(針)をガイドに引っ掛けて移動したりしていませんか? ガイドのリング部分(セラミックなどの硬い素材)は非常に硬いですが、衝撃には弱く、目に見えない微細なヒビやカケが入ることがあります。 このカケがヤスリのような役割を果たし、キャストのたびにラインを削り取ってしまうのです。 これが原因の場合、新品のラインに巻き替えても、数投ですぐに切れてしまいます。
【チェック方法】 目視では見つけにくい傷を見つけるには、「綿棒」を使います。 綿棒でガイドリングの内側を優しくなぞってみてください。 もし綿棒の繊維が「引っかかる」ような感触があったり、綿が毛羽立ったりしたら、そこには確実に傷があります。 傷ついたガイドは、トップガイド(先端)だけとは限りません。 一度すべてのガイドをチェックしてみることをお勧めします。 もし傷が見つかった場合は、釣太郎みなべ店へお持ち込みください。 ガイド交換の修理対応が可能です。
原因②:リールの「ラインローラー」が固着している
リールのベール(針金部分)についている、糸が通る小さなローラー部品。 ここがスムーズに「クルクル」回っているか確認していますか? ラインローラーは、ラインを巻き取る際の摩擦を逃がす重要なパーツです。 ここが塩ガミやサビで固着して回らなくなると、糸に対して強烈な摩擦熱が発生します。 特に熱に弱いナイロンラインや細いPEラインは、摩擦熱であっという間に強度が落ち、あっけなく切れてしまいます。 釣行後は必ず真水で洗い、定期的にオイルを差すメンテナンスを行いましょう。 「最近リールからシャリシャリ音がする」という方は要注意です。
原因③:気付かぬうちの「エアノット」と「傷んだライン」
風が強い日にありがちなのが、竿先に糸が絡んだまま投げてしまうミスです。 一度絡んで結び目ができたライン(エアノット)は、そこだけ強度が極端に落ちています。 「解けたから大丈夫」と思っても、ライン自体が折れ曲がって白くなっていたら、そこが切れるのは時間の問題です。
また、釣行のたびに「ラインの先端」をカットしていますか? 海中にある岩や海藻、ゴミなどに触れたラインの先端数メートルは、見た目が綺麗でも確実に劣化しています。 「まだ使えるのにもったいない」と思わず、毎回釣りを始める前に、先端を3〜5メートル捨ててください。 数百円分のラインを惜しんで、数千円のウキやルアーを無くす方が、結果的には大きな損失になります。 この「先端カット」を習慣にするだけで、高切れのリスクは激減します。
【番外編】南紀特有?「フグ」や「タチウオ」の仕業
道具に全く異常がないのに、なぜかスパッと切れる。 そんな時は、海の中の生き物が悪さをしているかもしれません。 特に南紀の海に多い「フグ」や「タチウオ」です。 彼らは鋭い歯を持っており、興味本位でラインを噛み切ります。 特に注意が必要なのが、10mごとに色が変わる「マーキング入り」のラインを使っている場合です。 魚は色の変化する部分(白や黄色などのマーカー)を「エサだ!」と勘違いして噛み付くことがあります。 もし、謎の高切れが頻発する場合は、マーカーのない「単色」のラインに変えてみるのも一つの有効な対策です。
まとめ:高切れは「事前の点検」で9割防げる
道具を無くすと、お財布も痛いですが、海にゴミを残すことにもなってしまいます。 気持ちよく釣りを楽しむために、次回の釣行前にはぜひ「ガイドの綿棒チェック」と「ラインローラーの確認」を試してみてください。

