はじめに:釣り人の特権、それは「刺身鮮度のアジ」を揚げること
南紀の堤防や磯でアジが釣れたら、まず何を思い浮かべますか。
刺身やタタキも絶品ですが、あえて「アジフライ」にすることをおすすめします。
釣りたてのアジで作るフライは、スーパーの惣菜や定食屋のものとは全くの別物です。
臭みは皆無、身は驚くほどふわふわで、噛んだ瞬間に上質な脂がジュワッと溢れ出します。
今回は、南紀の豊かな海で育ったアジのポテンシャルを極限まで引き出す、最高のアジフライの
作り方をご紹介します。
なぜ「南紀のアジ」はフライに向いているのか?
南紀エリア(みなべ、白浜、串本など)は、黒潮の影響を強く受けています。
潮通しの良い海流にもまれて育ったアジは、身が引き締まりつつも適度な脂が乗っているのが特徴です。
特に、回遊せずに岩礁帯に居着いている「居着きのアジ(黄金アジと呼ばれることも)」は、
体高があり脂のノリが抜群です。
この上質な脂は、加熱することで甘みに変わり、衣の中で蒸されることでふっくらとした食感を生み出します。
ステップ1:下処理で「9割」決まる
最高のアジフライを作るための最初の一歩は、正しい下処理です。
1. ゼイゴとウロコを徹底的に取る
尾の方にある硬い「ゼイゴ」は、口当たりを悪くする最大の原因です。
包丁を寝かせて、尾から頭に向かって丁寧に削ぎ落としましょう。
2. 開き方は「背開き」がおすすめ
アジフライには「背開き」と「腹開き」がありますが、ふっくら感を重視するなら「背開き」がベストです。
背中から包丁を入れることで身の厚みが保たれ、揚げたときにボリューム感が出ます。
中骨を丁寧に取り除き、腹骨もすき取ります。
3. 「塩水処理」で臭みを消す(重要!)
開いたアジを、海水程度の濃度の塩水(水500mlに塩大さじ1強)に10分〜15分ほど浸けます。
これにより、余分な水分と微細な臭みが抜け、身にうっすらと下味がつきます。
これが「ふっくら仕上がる」プロの隠し技です。
ステップ2:衣付けの極意
サクサクの衣をまとうためのポイントです。
1. 水分は完全に拭き取る
塩水から上げたアジは、キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。
水分が残っていると、衣が剥がれる原因になります。
また、揚げる時の油ハネ防止にもなります。
2. バッター液を使う
「小麦粉 → 卵 → パン粉」の順が一般的ですが、卵と小麦粉と水を混ぜた「バッター液」を使うと、
衣が均一につきやすくなります。
アジの旨味を閉じ込める壁を作ります。
3. パン粉は「生パン粉」を選ぶ
乾燥パン粉ではなく「生パン粉」を使うのが、究極のアジフライへの近道です。
衣が剣のように立ち、サクッとした軽い食感に仕上がります。
手で優しく押さえるようにして、たっぷりとつけましょう。
ステップ3:揚げ方と温度管理
いよいよ仕上げです。
1. 油の温度は180℃
高すぎると中まで火が通る前に焦げ、低すぎるとベチャッとします。
菜箸を入れて、全体から細かい泡がシュワシュワと出る状態が目安です。
2. 触りすぎない
アジを油に入れたら、衣が固まるまで約1分は触らないでください。
触ると衣が剥げてしまいます。
きつね色になり、泡の音が「パチパチ」と高くなってきたら引き上げ時です。
アジは火が通りやすいので、揚げすぎ(パサパサ)に注意しましょう。
余熱でも火が通ることを計算に入れて取り出します。
3. 油切りは立てて置く
バットの上でアジを立てかけるように置くと、余分な油が切れやすく、サクサク感が持続します。
実食:まずは「何もつけずに」
完成したアジフライは、まずはソースも醤油もかけずに、そのままかぶりついてください。
サクッという音の後に、南紀のアジ特有の甘みと香りが口いっぱいに広がります。
塩水処理のおかげで、そのままでも十分な旨味があります。
おすすめの味変:
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塩&レモン: アジの甘みを最も引き立てます。
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わさび醤油: 刺身鮮度のアジだからこそ合う、和風の食べ方。
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自家製タルタルソース: 刻んだ玉ねぎ、ゆで卵、マヨネーズたっぷりで背徳の味。
まとめ
南紀で釣ったアジで作るアジフライは、高級料亭にも負けない贅沢な一品です。
「釣って楽しい、食べて美味しい」これぞ釣りの醍醐味です。
釣太郎周辺では、良型のアジが狙えるポイントがたくさんあります。
ぜひ週末は南紀へ釣りに出かけ、究極のアジフライをご家庭で楽しんでください。

