結論から言うと
味は明確に変わります。
しかもその差は、
「気のせい」や「個人差」で片づけられるレベルではありません。
アオリイカという素材は、
冷やし方の違いが、そのまま味に直結するイカです。
なぜアオリイカは「冷やし方」で味が変わるのか?
アオリイカは、
スルメイカなどと比べて
・水分量が多い
・筋繊維が非常に細かい
・甘味の主体が「アミノ酸」
という特徴があります。
つまり、
水分の出入りに極端に弱い素材なのです。
この時点で、
「真水」と「海水」の違いが効いてきます。
真水氷で冷やした場合に起きていること
真水氷で冷却すると、
イカの体内では次の現象が起こります。
浸透圧の崩れ
イカの体液は海水に近い塩分濃度です。
そこに真水が触れると、
浸透圧の差で
・細胞内の水分が流出
・うま味成分も一緒に流出
します。
結果として
・身が水っぽくなる
・甘味が薄くなる
・干し上がりが鈍い
という状態になります。
一夜干しにすると
「なんとなく薄い」
「旨いけど感動しない」
という仕上がりになりがちです。
海水氷で冷やした場合に起きていること
一方、
海水氷を使った場合はまったく違います。
浸透圧が保たれる
海水氷は、
イカの体液と塩分濃度が近いため
・細胞が壊れにくい
・うま味成分が流出しにくい
という状態になります。
さらに重要なポイント
冷却中に
・余分な水分だけが抜け
・アミノ酸が濃縮される
という理想的な変化が起こります。
一夜干しにしたときの「決定的な差」
ここが最大の違いです。
真水氷 → 一夜干し
・表面だけ乾く
・中はやや水っぽい
・焼いた時に水分が出る
海水氷 → 一夜干し
・身の締まりが均一
・甘味が前に出る
・焼いた瞬間に香りが立つ
焼いたときの
ジュワッという音と香りが
まったく違います。
「干物は塩を振るから同じでは?」は間違い
よくある誤解ですが、
これは完全に別物です。
塩を振る工程
これは
表面調整です。
冷却工程
こちらは
身の内部構造を決める工程です。
内部が壊れた後に
いくら表面を整えても、
元には戻りません。
アオリイカ一夜干しで失敗しない基本条件
ここで、
真水氷・海水氷を含めた
基本条件を整理します。
冷却
・海水氷を使用
・直接真水に触れさせない
温度
・0℃前後をキープ
・凍らせない
干し時間
・半日〜一晩
・風通し重視
この条件を守るだけで、
「別物」と言っていい仕上がりになります。
なぜスルメイカでは差が出にくいのか?
ここも重要なポイントです。
スルメイカは
・水分が少ない
・繊維が強い
・加熱前提の味設計
そのため、
冷却差が味に出にくい。
一方アオリイカは
・刺身でも旨い
・生食向き構造
・繊細すぎる
だからこそ、
冷やし方の差が
そのまま味の差になります。
釣り人が「家で感動できない」最大の理由
釣り場では
「最高のイカやった」
家では
「あれ?普通?」
このズレの正体は、
帰り道の冷却です。
アオリイカは
釣った瞬間ではなく、
持ち帰り方で味が決まる
と言っても過言ではありません。
まとめ
真水氷と海水氷で一夜干しの味は変わるか?
答えは明確です。
変わります。
しかも
・甘味
・香り
・身の締まり
すべてに差が出ます。
アオリイカの一夜干しを「本当に旨いもの」にしたいなら、冷やし方は海水氷一択です。

