はじめに:冷凍アオリイカは「劣化」ではなく「進化」する?
「エギングでアオリイカがたくさん釣れた!」
「いただいたアオリイカ、一度に食べきれないから冷凍したいけれど、刺身の味は落ちないのかな?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
実は、アオリイカは冷凍することで、釣れたてのコリコリ感とは違った
「ねっとりとした濃厚な甘み」を楽しむことができる食材です。
正しい方法で冷凍・解凍を行えば、お店レベルの極上のお刺身がいつでも楽しめます。
今回は、冷凍アオリイカを最高に美味しく食べるための、プロ直伝のテクニックをご紹介します。
メリット:なぜ冷凍アオリイカの刺身がおすすめなのか
冷凍アオリイカを刺身で食べるメリットは大きく2つあります。
1. アニサキス対策になる
アオリイカには稀にアニサキスという寄生虫が付着していることがあります。
アニサキスは低温に弱く、一般的な目安としてマイナス20度で24時間以上(家庭用冷凍庫なら48時間以上推奨)冷凍することで死滅させることができます。
生食のリスクを減らし、安心して刺身を食べられるのは大きなメリットです。
2. 甘みと旨味が増す
一度冷凍することでイカの筋繊維が適度に壊れ、食感が柔らかくなります。
また、細胞膜が壊れることで旨味成分を感じやすくなり、「ねっとり」とした極上の甘みが口いっぱいに広がるようになります。
「釣りたてよりも、冷凍した方が好き」という釣り人も多いほどです。
下処理:美味しさを決める「冷凍前」のひと手間
解凍後の味を左右するのは、実は「冷凍する前の処理」です。
以下のポイントを守るだけで、臭みのない美味しい刺身になります。
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真水で洗わない(重要!) 食べる直前まで、イカの身に真水を当てないのが鉄則です。 浸透圧の関係で、真水に触れると水っぽくなり、色が白く濁ってしまいます。 汚れはキッチンペーパーで拭き取る程度にしましょう。
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空気を抜いて密閉する イカの水分を拭き取ったら、1杯ずつ(または1柵ずつ)ラップでぴっちりと包みます。 さらにジップロック等の保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて「真空状態」に近づけてください。 空気に触れることによる「冷凍焼け」を防ぎます。
解凍方法:ドリップを出さない「氷水解凍」の手順
もっとも重要なのが解凍方法です。
電子レンジや常温での放置は、旨味を含んだ水分(ドリップ)が出てしまい、生臭くなる原因になります。
おすすめは**「氷水解凍」か「流水解凍」**です。
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氷水解凍のやり方(おすすめ!) ボウルに氷と水を張り、袋に入ったままのアオリイカを沈めます。 0度に近い温度で素早く解凍することで、鮮度を保ったまま解凍できます。 時間はサイズによりますが、30分〜1時間程度が目安です。
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流水解凍のやり方(時間がない時) 袋に入れたまま、ボウルに入れて水を流しっぱなしにします。 氷水よりも早く解凍できますが、水温が高い夏場などは解凍しすぎに注意してください。
食べ頃:切りやすくて美味しい「半解凍」のすすめ
刺身にする際、完全に解凍するまで待つ必要はありません。
むしろ、芯が少し凍っている**「半解凍(ルイベ状)」**の状態がベストです。
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薄皮が剥きやすい ヌルヌルして剥きにくい薄皮も、半解凍の状態ならペロッと綺麗に剥がせます。
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薄造りが簡単 身が締まっているので包丁が入りやすく、透き通るような薄造りも簡単に作れます。
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盛り付けている間に食べ頃に お皿に盛り付けて食卓に並ぶ頃には、ちょうど良い全解凍の状態になります。
賞味期限:家庭用冷凍庫での保存期間は?
いくら冷凍とはいえ、家庭用の冷凍庫は開け閉めによる温度変化が激しいものです。
刺身として美味しく食べるための目安は以下の通りです。
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美味しく食べるなら:1ヶ月以内 冷凍焼けや臭移りを防ぎ、最高の状態で食べるならこの期間がおすすめです。
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限界の目安:2〜3ヶ月 これ以上経過すると、冷凍庫特有の臭いがついたり、乾燥して食感が悪くなったりする可能性があります。 古くなったものは、天ぷらやバター炒めなどの加熱調理で美味しくいただきましょう。
まとめ
冷凍アオリイカは、正しい知識があれば「保存食」ではなく「ご馳走」になります。
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真水を当てずに密閉して冷凍する
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氷水でゆっくり解凍する
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半解凍の状態で調理する
この3つのポイントを押さえて、ねっとりと甘い極上のアオリイカの刺身をぜひ堪能してください。
今夜の晩酌が、いつもより贅沢な時間になること間違いなしです!


