はじめに:冬のヤエン釣りは「タナ」が命
- 寒風吹きすさぶ冬の南紀。大型(レッドモンスター)の夢がある一方で、「アタリがない」と嘆く釣り人も多い。
- なぜ釣れないのか?それはアジがイカのいる「タナ(層)」に届いていないから。
- 今回は、冬の南紀攻略の鍵となる「底狙い」の戦術と、必須アイテム「オモリ付きヤエン針」について解説する。
1. 冬のアオリイカは海底に張り付く
- 水温安定を求めて深場へ: 変温動物であるアオリイカは、水温の変化を嫌う。冬場、表層の水温が下がると、水温が安定している海底(ボトム)や深場(ディープエリア)の窪みに身を潜める。
- 南紀特有の地形: 南紀エリアはドン深(急激に深くなる地形)が多く、黒潮の影響もあり潮流が速い。普通にアジを泳がせているだけでは、潮に流されて表層〜中層を漂ってしまい、底にいるイカの視界に入らない。
2. 「アジを沈ませ、頭を浮かせる」が釣れる姿勢
底にいるイカにスイッチを入れるには、アジのコントロールが全て。
- 強制的に沈める: 自然に泳がせるのではなく、オモリを使って強制的に底までアジを送り込む必要がある。
- 理想の姿勢: アジが底にへばりついて寝てしまってはアピール不足。**「体は沈んでいるが、頭(口元)は浮こうとしている」**という、瀕死のベイトを演出する姿勢が猛烈に効く。
- この姿勢を作ることで、底付近をフワフワと漂わせ、活性の低い冬イカの捕食本能を刺激できる。
3. なぜ「オモリ付きヤエン針」が理想的なのか?
ここで登場するのが、冬の秘密兵器**「オモリ付きヤエン(支柱や針にオモリが足されたタイプ)」**だ。
① 深場・急角度でも確実に届く
通常(ノーマル)のヤエンは、軽量で滑らかに滑るのがメリットだが、冬の深場釣りには不向き。
- ラインの抵抗: 水深があるとラインにかかる水圧抵抗が増え、軽いヤエンだと途中で止まってしまう(「ヤエンの踊り場」現象)。
- 到達スピード: オモリ付きヤエンは自重があるため、ラインの角度が緩くても、水圧に負けずグイグイと海底のイカまで到達する。
② 潮流に流されない安定感
南紀の早い潮流の中でも、オモリがスタビライザーの役割を果たし、ヤエンが回転したり流されたりするのを防ぐ。これにより、針先が常にイカに向いた状態をキープできる。
③ 「向こう合わせ」が決まりやすい
重量があるため、イカに到達した際の衝撃(インパクト)が強く、跳ね上げ式でなくても自重で針が食い込みやすい。特に身の硬い大型イカには、ある程度の重量による貫通力が必要。
4. 実践!冬の南紀・ボトム攻略の手順
- アジの重り調整: 中通しオモリやアジの腹オモリなどを使い、確実に底を取れる重量設定にする。
- ラインメンディング: キャスト後、ラインを出しすぎず、カーブフォール気味に沈める。
- 底取りと待ち: アジが暴れなくなったら底に着いた証拠。そこから少しラインを張り、アジの頭を浮かせるイメージで待つ。
- ヤエン投入: アタリがあり、イカが走らず居食い(その場で食べる)している場合が多いのも冬の特徴。寄せに入ったら、迷わず「オモリ付きヤエン」を投入。
- 到達確認: オモリのおかげで「ドンッ」という到達の感触が竿先に伝わりやすい。
まとめ:冬の南紀は道具で差がつく
- 冬の釣りは精神力も必要だが、それ以上に「理にかなった道具と戦術」が必要。
- 「底」を意識したアジの操作と、深場を制する「オモリ付きヤエン針」。この2つが揃えば、冬の南紀のキロアップ、レッドモンスターは決して遠い存在ではない。
- 次の釣行では、タックルボックスに必ずオモリ付きヤエンを忍ばせておこう。

