魚料理のレシピを見ていると、「ここで霜降りをします」や「サッと湯通しします」という言葉が出てきます。
どちらもお湯を使う工程ですが、この2つには明確な「目的の違い」があることをご存知でしょうか。
これを混同してしまうと、せっかくの魚が水っぽくなったり、逆に臭みが残ってしまったりします。
今回は、魚料理を美味しくするための最初のステップ、霜降りと湯通しの違いを分かりやすく解説します。
結論:目的が「掃除」か「食感」か
一言で言うと、この2つの違いは以下の通りです。
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霜降り(しもふり)
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目的:掃除(臭み、ぬめり、血合いを取る)
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タイミング:煮る・焼くなどの**「調理前」**
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対象:煮魚、鍋物、汁物の具材(アラや切り身)
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湯通し(ゆどおし)
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目的:食感・色出し(火を少し通して歯ごたえや彩りを良くする)
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タイミング:**「仕上げ」**または「下茹で」
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対象:刺身の皮目、ワカメ、添え野菜
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つまり、「汚れを落とすのが霜降り」、「味や見た目を良くするのが湯通し」と覚えておけば間違いありません。
1. 「霜降り」の極意:白く雪化粧させる
「霜降り」という名前は、お湯をかけた魚の表面が白くなり、まるで霜が降りたように見えることから付けられました。
この工程は、魚料理において「最も重要」と言っても過言ではありません。
【正しい手順】
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魚の切り身やアラをザルに並べる。
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80℃〜90℃のお湯を回しかける(または数秒くぐらせる)。
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表面が白くなったら、すぐに冷水に取る。
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指で表面のぬめりや、骨の隙間の血合いを優しく洗い流す。
この「冷水で洗う」までがセットです。
これを行うことで、煮魚やアラ汁にした時の生臭さが消え、透明感のある上品な出汁が取れるようになります。
2. 「湯通し」の魅力:皮まで美味しく
一方の「湯通し」は、素材の持ち味を引き出すテクニックです。
刺身でよく使われる技法で、「湯引き(ゆびき)」とも呼ばれます。
【代表的な例:マダイの松皮造り】 マダイなどの皮が美味しい魚は、皮を引かずに布巾をかけ、その上から熱湯をかけます。
これが「湯通し」です。
皮と身の間の脂が溶けて旨味が増し、皮自体も柔らかくなって食べやすくなります。
また、生ワカメをサッとお湯にくぐらせて鮮やかな緑色にするのも「湯通し」の一つです。
こちらは「臭みを取る」のではなく、「皮を柔らかくする」「色を鮮やかにする」というポジティブな理由で行います。
3. どちらも「氷水」が命
目的は違いますが、共通している絶対ルールがあります。
それは**「お湯の後は、すぐに氷水で冷やす(色止め)」**ことです。
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霜降りの場合:予熱で火が通り過ぎるのを防ぎ、汚れを固めて落としやすくするため。
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湯通しの場合:身を引き締め、鮮やかな色をキープするため。
この「急冷」をサボると、身がグズグズになったり、色がくすんだりして台無しになってしまいます。
ボウルに氷水を準備してから、お湯を沸かす習慣をつけましょう。
まとめ
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臭いを取りたいなら「霜降り」
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皮や食感を楽しみたいなら「湯通し」
レシピに迷ったら、この原点に立ち返ってください。
特に冬場の鍋料理や煮付けでは、「霜降り」を丁寧に行うだけで、料理の腕が2ランクアップ
したような仕上がりになります。
釣太郎では、料理の練習にも最適な、手頃なサイズの魚や新鮮な食材を取り揃えています。
失敗を恐れずに、ぜひ魚料理に挑戦してみてください。

