週末の阪和自動車道。 早朝、あるいは深夜から車を走らせる釣り人たちには、大きな「分岐点」があります。
和歌山市内や海南周辺で降りる「紀北派」と、そこを通り過ぎてさらに南下する「紀南派」。
同じ和歌山での釣りですが、実はこの両者、狙っている魚も、釣りに求めるスタイルも大きく異なります。
「近場で手軽に」か、それとも「移動時間をかけてでも夢を追う」か。
今回は、和歌山の釣りを知り尽くした釣太郎が、紀北と紀南へ向かう釣り人の違いと、
それぞれのエリアの魅力を徹底解説します。
1. 「距離と時間」に対する価値観の違い
最大の違いは、移動コスト(時間・高速代・ガソリン代)をどう捉えているかです。
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紀北向きの釣り人(手軽さ重視)
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特徴:大阪から1時間~1時間半圏内。仕事終わりや、家族連れでの「レジャー感覚」が強い傾向にあります
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心理:「移動に疲れたくない」「交通費を浮かせて、その分回数を多く行きたい」
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メリット:アクセスが抜群に良い。思い立ったらすぐ行ける
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紀南向きの釣り人(ロマン重視)
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特徴:大阪から2時間以上。みなべ、白浜、さらにその奥へ。高速道路が延伸したとはいえ、それなりの「遠征」です
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心理:「移動時間は釣果への投資」「近場では味わえない感動が欲しい」
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メリット:圧倒的な魚影の濃さと、非日常的なロケーション
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2. 狙う魚の「サイズ」と「種類」の境界線
紀北と紀南では、釣れる魚のアベレージサイズが明確に変わるラインがあります。一般的に、御坊~みなべ周辺がその境界と言われています。
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紀北エリア
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主なターゲット:タチウオ、中小型のアジ、チヌ、シーバス
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傾向:数釣り(数多く釣ること)を楽しむエリア。魚影は濃いが、サイズはそこそこというケースが多いです
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紀南エリア
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主なターゲット:大型グレ(メジナ)、アオリイカ(レッドモンスター)、大型青物、クエ、根魚
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傾向:「一発大物」狙い。黒潮の影響を強く受けるため、魚の引きの強さや食味が別格です。「尺アジ」がコンスタントに狙えるのも紀南からの特権と言えます
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3. 釣り場の「混雑度」と「雰囲気」
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紀北:アクセスが良い分、人気の堤防は非常に混雑します。「場所取り合戦」が激しく、隣の人との距離が近い釣りになりがちです
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紀南:南下すればするほど、釣り人は分散します。広大な磯場や、比較的ゆったり竿を出せる堤防が多くなります。海水の透明度も高く、ただ海を眺めているだけでも癒やされる「大自然感」は紀南の圧勝です
4. なぜ、ベテランは「紀南」を目指すのか
釣りの経験を積むと、多くの人が徐々に南へ、南へと足を伸ばすようになります。
それは、技術が向上するにつれて「難しいけれど、釣れた時の感動が大きい魚」を求めるようになるからです。
また、近年の高速道路4車線化により、みなべ・白浜エリアへのアクセスは劇的に向上しました。
「昔に比べて、紀南はもう遠くない」 そう気づいた賢い釣り人たちは、混雑する紀北を避け、
少し足を伸ばしてパラダイスの紀南を選んでいるのです。
まとめ
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紀北:手軽に楽しみたい、ファミリーフィッシング、交通費を抑えたい人向け。
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紀南:型(サイズ)を狙いたい、美味しい魚が食べたい、混雑を避けてのんびり釣りたい人向け。
もしあなたが「最近、釣果が伸び悩んでいる」
「もっと大きな魚を釣ってみたい」
と感じているなら、今度の休みはインターチェンジを降りずに、もう少し先まで走ってみてください。
トンネルを抜けた先の南紀の海には、あなたの想像を超える出会いが待っています。

