【ハモの謎】なぜ市場のハモは首を切られているのか?その「危険すぎる理由」と鮮度の秘密

スーパーや鮮魚コーナーでハモを見かけたとき、写真のように「首元が切断された状態」で

並んでいるのを見たことがありませんか?

「かわいそう」「なんでこんな切り方をするの?」と思うかもしれません。

しかし、これには漁師さんや仲買人、そして料理人の安全と味を守るための、絶対に必要な理由があるのです。

今回は、ハモが活締め(首切り)状態で出荷される3つの理由を解説します。


理由1:生きたままでは「凶器」!鋭い歯と生命力

最大の理由は、ハモが持つ異常なまでの獰猛(どうもう)さと生命力にあります。

  • カミソリのような歯: ハモの口には、内側に向かって鋭い犬歯がビッシリと並んでいます。一度噛みついたら絶対に離さない構造になっており、不用意に手を出せば大怪我をします。

  • 首を切っても噛みつく: ハモの生命力は凄まじく、頭を切り落としても、しばらくの間は口が動いて噛みついてくることがあります。

  • 流通の安全確保: もし生きたまま暴れるハモを市場で扱えば、漁師や仲買人が噛まれて流血沙汰になりかねません。そのため、水揚げ直後に脊髄や血管を断ち切り、物理的に動けなくしてから出荷する必要があるのです。


理由2:血液に「毒」があるため、完全な血抜きが必要

ハモを含むウナギ目の魚の血液には、実は**「イクシオトキシン」という毒**が含まれています。

  • 血抜きの重要性: この毒は加熱すれば分解されますが、生食(刺身や湯引き)で提供する場合、血液が身に残っていると食中毒(下痢や嘔吐)の原因になるリスクがあります。

  • 臭みの原因を除去: また、ハモの血液は特有の生臭さの原因にもなります。心臓が動いているうちにエラや首元の血管を切ることで、ポンプ作用を利用して体外へ血を出し切り、真っ白で美しい身に仕上げることができます。


理由3:高級魚としての「身質」を守るため

ハモ料理の代名詞といえば「骨切り」ですが、これを行うには身の鮮度が命です。

  • 死後硬直を遅らせる: ハモは代謝が活発な魚で、野締め(そのまま放置して死なせること)にすると急激に乳酸が溜まり、身が劣化してしまいます。活締めをして神経を破壊することで、死後硬直の開始を遅らせ、料亭で使われるような「モチッ」とした弾力を長時間キープできます。

  • 透明感のある白身: 適切に締められたハモは、身に透明感があり、湯引きにした時に花が咲いたように美しく開きます。これが高級料亭で重宝される理由です。


まとめ

ハモが首を切られて出荷されるのは、**「鋭い歯から人を守る安全対策」「毒のある血を抜き、

最高の味を届ける品質管理」**のためでした。

あの姿は、漁師さんたちが命がけで鮮度を守った「仕事の証」と言えるでしょう。

今度ハモを見かけたら、その美しい白身の裏にあるプロの技を思い出してみてください。

 

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