最初に
南紀の冬。
堤防から狙う寒尺アジ釣りで、多くの人が同じ壁にぶつかります。
「アジは釣れる。でも全部中アジ。」
その原因の多くは、タナ(狙う水深)が違う。これに尽きます。
南紀の堤防で釣れる寒尺アジは、ほぼ例外なく底にいます。
なぜ浮かないのか。
なぜ底なのか。
その理由を、魚の性質と南紀特有の環境から解説します。
結論から言うと
南紀の堤防寒尺アジは、
・エサを奪い合わない
・無駄に泳がない
・安全で効率の良い場所を選ぶ
その結果、
海底付近に定着する
という行動を取っています。
理由① 大型になるほど「省エネ志向」になる
アジはサイズが大きくなるほど、
行動が変わります。
中アジは、
・群れで回遊
・中層を泳ぐ
・積極的にエサを追う
一方、寒尺アジは、
・単独または小集団
・移動距離が短い
・無駄に泳がない
これは、
体が大きいほどエネルギー消費が激しい
ためです。
底付近は、
・潮流が緩い
・体力消耗が少ない
大型個体ほど、
底を好む理由です。
理由② 上層は「若いアジの世界」
堤防の中層〜表層には、
・中アジ
・小アジ
・回遊中の群れ
が多く存在します。
尺アジクラスになると、
こうした群れに混ざる必要がありません。
・エサの取り合いをしない
・小型に邪魔されない
・落ち着いて捕食できる
この条件が揃うのが、
海底付近です。
理由③ 南紀の冬は底にエサが集まる
冬の南紀は、
・水温が下がる
・プランクトンが減る
・中層が空洞化する
その結果、
・ゴカイ類
・甲殻類
・弱ったベイト
こうしたエサが、
底付近に集まりやすくなります。
寒尺アジは、
「エサがある場所」に
忠実です。
理由④ 底は外敵から身を守りやすい
尺アジは、
生き残った個体です。
つまり、
警戒心が非常に強い。
底付近には、
・暗さ
・地形の変化
・ストラクチャー
があります。
これは、
外敵から身を守るために
非常に有利な環境です。
浮いたアジほど、
狙われやすい。
だからこそ、
生き残った寒尺アジは
底を選びます。
理由⑤ 「底ベタ=安全圏」という学習
南紀の堤防は、
年間を通して釣り人が多い場所です。
・撒き餌は上から落ちる
・仕掛けも上から入る
・プレッシャーは上層が最も高い
長年生きた尺アジほど、
「上は危険」
「底は安全」
という学習が進んでいます。
中アジが釣れる=タナが高い可能性
寒尺アジ狙いで、
中アジが連続して釣れる場合。
それは、
狙いが間違っているサイン
です。
・タナが浮いている
・底に届いていない
・仕掛けが安定していない
尺アジは、
そこにはいません。
南紀の寒尺アジは「底の底」にいる
重要なのは、
・底から50cm
・底スレスレ
・場合によっては着底状態
このレベルです。
「底を切っているつもり」
では、
まだ高い。
本当に底を取れているか。
ここが、
釣果を分ける最大の分岐点です。
まとめ
・南紀の堤防寒尺アジは省エネ行動を取る
・若い群れと競争しない
・冬は底にエサが集まる
・外敵と釣り人を避けるため底にいる
・中アジが釣れる=タナが高い
南紀の寒尺アジ釣りは、「探す釣り」ではありません。
正しい深さに、仕掛けを置けるかどうか。
それだけで、遭遇率は大きく変わります。

